フィジーは未曾有の経済危機に見舞われており、世界銀行の報告によると、昨年の債務残高はGDPの90%に達している。
世界的な感染拡大による経済成長率の低下により、フィジーは深刻なインフレに見舞われている。さらに、フィジーは過去3年間に何度も激しいハリケーンに見舞われ、現在はロシアのウクライナ侵攻の影響が太平洋に及んでいる。2日間にわたる国家経済サミットには、官民合わせて500人の代表者が参加し、連立政権が引き継いだ財政の危機から脱出するための解決策についてワークショップを行った。ランブカ首相は、サミットの開会を宣言し、団結のメッセージを述べた。政府や企業のリーダーたちに、「未来を再構築することは、単に経済成長と発展を促進するだけでは不十分だ。私たちの国の明るい未来には、地域社会が団結し、分断から脱却することが必要だ。」と語った。プラサド財務大臣は、「経済成長によってもたらされる所得の増加」を通じて前進することができると述べた。「しかし、低所得世帯に対する重点的な支援といった短期的な対策は、経済成長によって生まれる政府収入の増加によって改善される可能性がある。経済成長こそが鍵であり、このサミットは、すべての人にとってより良い経済的未来を実現するための、国民主導の団結したアプローチにおける重要な第一歩である。」と、付け加えた。フィジー政府の思惑とは裏腹に、経済を活性化させるにはまず資金が必要である。しかし、フィジーの適切な支出、収入、課税の規定を策定することを任務とする財政検討委員会は、フィジーが「三重の危機」に直面していることを明らかにした。過剰な政府債務、重要インフラへの投資の遅れ、気候変動やその他のグローバルおよびローカルなリスクによる予期せぬ衝撃の影響の3つだ。フィジー政府は債務残高が多いため、現在の社会的・経済的ニーズに対応するための資金を借り入れることが制限されているという。プラサド大臣は、2日間の経済サミットで出されたアドバイスやアイデアのすべてを評価しつつも、フィジーの進むべき道についての最終決定は政府が行うことを参加者に明らかにした。経済サミットの14の主要な決議事項は以下のとおり。
- 信頼されるリーダーシップ
- グッドガバナンスの実践
- 財政規律の維持
- 人づくりを優先する
- 地方や離島のコミュニティを支援する
- 農業・漁業の活性化
- テクノロジーを駆使した教育の推進
- フィジーの先住民に商業で力をつける
- 水供給と廃棄物処理の改善
- 陸・海・交通システムの高度化
- 電力供給の強化
- エビデンスに基づく政策立案を重視する
- サミットの終了後も、すべてのステークホルダーが継続的に協力することを推進
(Radio New Zealand/APR26, 2023)
https://www.rnz.co.nz/international/pacific-news/488640/fiji-s-economic-summit-roadmap-or-talkfest