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PACIFIC ISLANDS NEWS [ 太平洋諸島ニュース ]

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巨大火山が明らかにした特殊な大気波動 (トンガ)

1月に噴火したHa'apai火山(Hunga Tonga-Hunga Ha'apai)の噴火から、科学的な明るい兆しが見えてきた。85年間も発見されなかった特殊な大気波が、この噴火によって引き起こされ確認されたのだ。ハワイ大学マノア校、海洋研究開発機構、京都大学の研究者らは、最新の観測データとコンピュータシミュレーションにより、ペケリス波の存在を突き止めた。ペケリス波とは、1937年に理論化されたものの、自然界ではこれまで証明されていなかった気圧の揺らぎである。この研究は、Journal of the Atmospheric Sciences誌に発表された。1月の噴火では、1883年のインドネシアのKrakatau山の噴火以来、世界が経験したことのないような強力な爆発が起こったという。この急激なエネルギーの放出は、大気中の圧力波を刺激し、瞬く間に世界中に広がった。研究者によると、噴火に近い大気波のパターンは非常に複雑だったが、数千キロメートル離れたところでは、時速1000キロメートル以上で水平方向に進む孤立した波面が擾乱を起こし、それが外側に広がっていったという。この波頭を伴った気圧の乱れは、世界中の何千もの気圧計の記録ではっきりと確認された。 UHマノア海洋地球科学技術大学院の大気科学名誉教授Hamilton博士は「Krakatau噴火の後にも同じ現象が観測され、20世紀初頭にはイギリスの科学者Lambによってこの波の物理理論が証明されています」と述べた。これらの運動は、現在ではLamb波として知られている。1937年、アメリカ系イスラエル人の数学者であり地球物理学者であるペケリスは、Lamb波の理論的取り扱いを拡張し、水平速度が遅い第2の波動解も可能であると結論づけた。ペケリスは、Krakatau噴火後の圧力観測から、彼の言う遅い波の証拠を見つけようとしたが、説得力のあるケースを作り出すことはできなかった。今回、科学者たちは、静止衛星観測、コンピューターシミュレーション、気圧観測の極めて高密度なネットワークなど、現在利用可能な幅広いツールを適用し、トンガ噴火後の大気中のペケリス波を特定することに成功した。主執筆者の渡辺氏はトンガ噴火の反応をコンピュータシミュレーションで再現した。「コンピュータシミュレーションと観測されたパルスを太平洋盆地全体で調べたところ、遅い波面が広い範囲で確認でき、その性質は約100年前にペケリスが予測したものと一致していました」とHamilton博士は語った。(Radio New Zealand/SEP21, 202)https://www.rnz.co.nz/international/pacific-news/475193/huge-tongan-volcano-reveals-special-atmospheric-wave