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PACIFIC ISLANDS NEWS [ 太平洋諸島ニュース ]

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太平洋諸島フォーラム第51回首脳会議開催‐スバ(太平洋諸島)

オーストラリアとニュージーランドを含む18か国の太平洋地域の指導者は、地域に影響を与える問題を議論するために、2019年以降初めて対面で集まる。フィジー政府が主催するこの会議は、この地域がCovid-19感染拡大から徐々に脱却していく中での近年における最も重要な会議とみなされている。フィジー政府は、この会議を「関係を強化し、フォーラム・ファミリーとしての地域主義と集団行動の目標と優先順位を再設定する機会」と位置づけ地域全体で幅広い協議を行い、3年かけて作成された「青い太平洋のための2050年戦略」の発表で締めくくられる予定で、承認されれば、この地域の全体的なビジョンを示す青写真となる。
この会議の中心的課題としては、地政学的緊張、気候危機、PIFの指導者間の亀裂の修復、Covid-19からの回復、地域の核の遺産に関する議論などの問題が話し合われる予定だ。その中でも主たるアジェンダは、地政学的競争の激化と気候変動による影響である。特に中国は、王毅外相が二国間関係にある太平洋諸国に対し、多国間協定「中国・太平洋島嶼国共同ビジョン」への署名を説得するために各国を歴訪し、最近大きな注目を集めた。王氏の訪問は、中国ががソロモン諸島と安全保障協定を正式に締結したというニュースを受け、地域の指導者らがパニックに陥ったことを受けてのことだった。結局、中国の多国間協定は太平洋地域の指導者の支持を得ることができなかった。フォーラムの立場からすれば、新しい地域政治構造を確立しようとする中国の野心に対して明確な立場を示したということである。中国が太平洋諸国を新たな多国間協定に加盟させようとする計画には反対の立場をとる。なぜなら、それは太平洋島嶼国フォーラムの役割を低下させることになるからだ。さらに、太平洋を現在および将来の脅威から守ることが、PIF51のもう一つの課題である。海洋は、太平洋の人々の生活とアイデンティティに極めて重要な役割を果たしている。「地域的な政治的解決や規制、政策、法的手段を通じて、いかにして海洋を確保し、保護し、活用し、利益を得るかが、我々の2050年戦略の成功の核心となる」とプナ事務局長は述べている。昨年、プナ氏がPIFのトップに就任したことで、この地域機関は崩壊寸前となった。ミクロネシアの首脳はこの決定を不服とし、もし大きな改革が行われないなら、フォーラムから完全に撤退すると離脱を表明した。しかし、2022年6月初旬、ミクロネシアの3人の首脳がフィジーで、バイニマラマ首相と直接会談し、指導者間の溝を修復することで、フォーラムの50年間で最大の危機が回避された。一方、バヌアツ政府は、気候変動に関する国際司法裁判所(ICJAO)の勧告的選択肢を求める提案について、フォーラム・リーダーの全面的な支持を求める予定である。このイニシアティブは、すでに130カ国の1500以上の市民グループから支持を得ている。市民グループはすでに7月9日土曜日にスバで大規模な行動を計画しており、バヌアツのICJAO招致に投票し支持するようフォーラムの指導者に呼びかけている。
その他の話題としては、気候変動対策においてオーストラリアが果たす役割が挙げられ、新たに選出されたアルバネーゼ首相がPIF51に出席することが確定し、オーストラリアの報道関係者がスバに多数出席することが予想される。会議に先立ち、ニュージーランドのアーダーン首相は、太平洋諸島フォーラムの役割は「地域の問題を解決する上で極めて重要であり、地域の安全保障問題は地域で解決されるべき」であると述べた。(Radio New Zealand/JUL08, 2022)
https://www.rnz.co.nz/international/pacific-news/470591/forum-family-to-convene-in-suva-for-the-51st-leaders-meeting