ソロモン諸島商工会議所は、先週の政情不安によって引き起こされた人道的危機に関して「最悪の事態はまだ来ていない」と警告している。援助機関は、荒廃した首都ホニアラでの食糧不足に備えている。この危機は、貧困、飢餓、政府の政策への不満などが原因で、先週3日間にわたって暴動が発生したことに端を発する。ソロモン諸島の人口は70万人。うち7万5千人がホニアラ居住だ。首相の私邸に放火しようとした群衆が警察に排除され、少なくとも3人の命が失われた。商工会議所Fuo'o会長は、食料の供給が不足しているとし「特にホニアラ市では、米が主食だが、中国系の店や卸売り業者のほとんどが略奪され、燃やされた。食糧が不足しているので、最悪の事態が懸念される。」と述べた。パプアニューギニア、フィジー、オーストラリアは、支援のために警備員を派遣した。また、Fuo'o氏はこれからの最悪の事態に備え、食料を買いだめし現金を所持することを勧めている。ソロモン諸島中央銀行(CBSI)は、今回の暴動による地域経済への損失を2,800万米ドルと推定した。同銀行のForau総裁は最近の政情不安がCovid-19で弱体化した経済をさらに悪化させていると述べた。また、商工会議所によると、銀行のATMでは現金が不足し始めており、長蛇の列ができているという。夜間外出禁止令が発令されている中、商工会議所のFuo'o会長は、警察と協力して住民を支援し、セキュリティプロトコルが守られていることを確認していると述べた。今後2週間は首都に厳戒態勢が敷かれることになるという。一方、国会は今週再開され、Covid-19の公共非常事態の状態を延長した。野党党首のWale氏が提出したソガヴァレ首相に対する不信任案は、12月6日に提出されることになった。
(Radio New Zealand/DEC01, 2021)https://www.rnz.co.nz/international/pacific-news/456946/solomons-faces-a-rapidly-worsening-humanitarian-crisis
ソロモン諸島
【経済・社会動向】
「急速に悪化する」人道的危機に直面 (ソロモン諸島)
2021.12.03