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PACIFIC ISLANDS NEWS [ 太平洋諸島ニュース ]

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新たな指導者の下、中国支援の港湾開発計画棚上げ(サモア)

サモアで次期首相に就任予定のフィアメ・ナオミ・マタファ氏は、中国が支援する1億ドル規模の港湾開発計画を棚上げする方針を示した。すでに中国に対して多額の負債を有する同国には過剰なプロジェクトだとした。マタファ氏は、中国との良好な関係は維持したいとしながらも、まず他にやるべきことがあるとしている。今年1月の報道ではこの計画は国境が開き次第開始されるという最終段階まで来ているが、この開発を巡っては国内でも意見が分かれ、4月に行われた議会選挙で現首相のトゥイラエパ氏率いる与党が過半数の議席を失う一因にもなった。最高裁が17日、選挙結果に対する異議申し立てを却下したことから、野党党首のフィアメ氏が、早ければ21日にもサモア初の女性首相に就任するとみられている。フィアメ氏は「政府が優先すべき緊急課題があるにもかかわらず、このプロジェクトで提案されているような規模の開発を必要とするとは到底考えられない」と述べた。フィアメ氏の見解は、20年以上にわたり首相を務めてきた親中派のトゥイラエパ氏とは決定的に異なる。サモアは農業、観光業、そして漁業やココナツ製品の輸出に依存している国だが、コロナ危機以前から比較的大規模な経済支援を受け発展してきていた。中国が開発計画を進めているVaiusu港は、最近日本の経済支援によって拡張されたMatautu港の隣に位置している。有事となればVaiusu港は軍事基地にもなりうることから米国とこの地域の同盟国は問題視している。一方、中国は人口20万人のサモアにとって最大の債権国となっている。中国からの借款は約1億6000万ドルで、同国対外債務の約40%を占める。 (Radio New Zealand/MAY20, 2021)https://www.rnz.co.nz/international/pacific-news/442998/samoa-to-shelve-china-backed-port-project-under-new-leader