パプアニューギニアのマヌス島にある難民キャンプで自殺未遂が「日常的」に発生していることから、警察は高まる緊張に対応するために民兵を警官隊として派遣したことを地元警察が31日、AFPに明らかにした。パプアニューギニアの民兵は暴力的な取り締まり手法で悪名高い。マヌスでは、オーストラリアを目指しながら豪政府がとる強硬な難民政策のため送られてきた移民や難民たちがキャンプ生活を強いられている。マヌスやナウルに送還された移民や難民たちは、行き場を失ったまま何年も放置状態にある。オーストラリアで今月18日に実施された総選挙では、難民受け入れに前向きな野党の勝利が期待されていたが、予想に反して対移民強硬派のスコット・モリソン首相率いる保守連合が勝利し、マヌスでは絶望した難民らの自殺が急増している。世界的な人権賞を受賞したスーダン人難民活動家のアブドルアジズ・アダム氏も、オーストラリアでの総選挙以後、マヌスでは少なくとも31人が自殺を図ったとツイッターで訴えている。マヌス州警察のデービッDavid Yapu署長によると、これまでに難民らの間で起きた深刻な自殺未遂は十数件だが、軽度の自殺未遂はほぼ毎日発生している。所長は、こうした事態を受けて重武装した民兵を警官隊として難民キャンプに派遣したと明らかにした。派遣期間は3か月間だという。だが、この民兵組織は過去にレイプや殺人などで非難されていることから、今後マヌス島における緊張の増大が懸念される。(Radio New Zealand/MAY30, 2019)
パプアニューギニア
【経済・社会動向】
難民キャンプで自殺者急増(パプアニューギニア)
2019.06.07