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PACIFIC ISLANDS NEWS [ 太平洋諸島ニュース ]

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新首相選出(ソロモン諸島)

24日、ソロモン諸島新首相にマナセ・ソガバレ氏(64)が選出された。3日に行われた総選挙で当選した国会議員(50人中、野党議員15人は棄権)が首相選に投票して決定したもの。ソガバレ氏は過去にも首相を務めているが、2017年11月に与党内の不和から不信任案が可決、辞任している。ソロモン諸島は1983年から台湾と外交関係を持つが、ソガバレ氏の就任で、今後関係見直しの議論が行われるとの観測も出る。
ソロモン諸島は太平洋諸国で台湾と外交関係を持つ6カ国のうち、最大の人口(約62万人)を抱える。ソロモン諸島の伝統的な支援国、オーストラリアの一部メディアは17年、ソガバレ氏が当時率いていた政党が海底ケーブル敷設を巡り中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)から政治献金を受けたと報じた。ファーウェイは「根拠のない報道」と即座に否定したが、ソガバレ氏を「複数の中国企業と親密な関係にある」(関係者)と見る向きは多い。
今回の総選挙を巡っては、前首相のホウエニプウェラ氏が率いる民主連合党がマニフェストに「台湾を含めた各国との外交関係の見直し」と表記。「これまで避けられてきた中台を巡る議論を表舞台で行う道筋を付けた」(外交関係者)とされる。
中国はインフラ建設などを通じて太平洋諸国への影響力を強めている。現在、世界で台湾を外交承認する17カ国のうち、約3分の1が太平洋諸国に集中する。豪シンクタンク、ロウイー研究所のジョナサン・プライク氏は「中国は、太平洋諸国で台湾と外交関係を保有する国の切り崩しに必死で、ソロモンにも働きかけを強めるだろう」と指摘する。(Nikkei/APR 24, 2019)