MENU閉じる

PACIFIC ISLANDS NEWS [ 太平洋諸島ニュース ]

Home > 太平洋諸島ニュース > 中国に謝罪要求(ナウル)

中国に謝罪要求(ナウル)

南太平洋の島国ナウルのワンガ大統領は5日夜、南太平洋地域の独立国・自治政府が加盟する「太平洋諸島フォーラム(PIF)」の年次首脳会議での中国特使の態度が常軌を逸していたとして、中国政府に謝罪を求めるとともに、中国が同地域で「傲慢」に存在感を強調していると強く非難した。
ワンガ大統領は記者会見で、「中国はわれわれ(PIF加盟国・地域)の友人ではない。中国は、自らの目的のためわれわれを必要としているだけだ」と述べ、「申し訳ないが、この問題については強い態度で臨まなければならない。なぜなら、誰もここ(南太平洋)へ来て、われわれに指図するべきではないからだ」と続けた。
今年のPIF首脳会議は、6日の閉幕を前に、49年の歴史で最も紛糾する年次会議の一つとなっている。主催国ナウルは中国ではなく台湾と外交関係を結んでおり、首脳会議の開幕前にもビザ発給をめぐって中国政府の反発を招いた。
さらに4日、中国代表団の杜起文団長が会議の席上で気候変動について演説しようとしたところ、議長を務めるワンガ大統領がこれを制止。PIF加盟国・地域代表の演説が終わるまで発言を認めないとしたため、中国代表団は退席して抗議した。報道によると、杜氏は退席する際、会場内を歩き回って不満をあらわにしたという。
5日夜の記者会見でワンガ大統領は、杜氏の振る舞いについて「中国国家主席の前でもあんな態度をとるだろうか?」と疑問視した上で、「太平洋諸国やPIF加盟国、他の参加国の首脳・閣僚たちを見下したのだ。全く冗談じゃない」と批判。「杜氏は閣僚ですらないのに、自己主張してツバルの首相より先に発言しようとした。頭がおかしいのではないか」とこき下ろした。
ナウルは人口1万1000人、面積21平方キロの小国だが、ワンガ大統領は今回の一件について「中国に謝罪を要求するだけでなく、国連(UN)でも問題にする」と主張。「国連をはじめとするあらゆる国際会議で、この問題について言及していく」と述べている。
中国はPIF加盟国ではなく、「対話パートナー」18か国・地域の一つとして首脳会議に参加しているが、2006~2016年、太平洋諸国に推定17億8000万ドル(約2000億円)の援助を実施しており、今回のやり取りは、太平洋諸国の間で影響力を増す中国をめぐる、センシティブな状況が改めて浮き彫りになった。(AFP/SEP 6, 2018)