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LNG開発現場の治安悪化は第二のブーゲンビル紛争になる懼れ(パプアニューギニア)

エクソンモービル社主導のハイランド地区LNG開発計画に対して、現地地権者、関係住民が自分たちの権利や補償を要求して、工事現場に侵入、破壊、傷害などの暴力活動を行い、政府は開発を確保するため軍隊まで派遣して治安維持に努めている。しかし、紛争が拡大すれば1990年代のブーゲンビル紛争の二の舞になりかねない懸念が広がっている。操業が始まればPNGのGDPが2倍になると期待されているが、地権者たちは2010年工事開始以来、約束された補償やインフラ整備が反故にされ、交渉も行われていないと訴えている。この3月6日、ポートモレスビーの首相官邸前での地権者の集会に警察は催涙ガスや警告発砲を行い、今後も類似の抗議活動は非合法集会だとして排除の方針である。ヘラの地権者達の報道担当者は、抗議活動が拡大して事態はブーゲンビル紛争より深刻だとし、高地人は「戦う人」であることで知られ、戦うことは生活手段の一つでもあると述べている。今年、二度も死者の出る抗議運動が発生している。1月24日発生した工事による土砂崩落事故で約60人が生き埋めになり、国も企業も死者の救出を十分行わないまま、その地区に道路工事を行っている。4月3日には労働者が住民に対する扱いがひどいと警察に抗議して騒動となり、警官の発砲で死者が出た。エクソンモービル社は警察官の発砲によるものではないと否定しているが、その後の捜査結果が不明のまま放置されている。現地派遣された軍隊の一切の経費はエクソン側が負担しているとも言われている。開発に伴い恩恵にあずかる人はごくわずかであって、ほとんどの人が第三世界同様の貧困状態にある。開発企業と国内の一部エリートが潤い、豊かな富が西側の企業によって持ち去られるのが現状である。
(Pacific Scoop/ May 22, 12)