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PACIFIC ISLANDS NEWS [ 太平洋諸島ニュース ]

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違法木材製品が米国で売られる(パプアニューギニア)

NGOのGlobal WitnessがPNGで違法に伐採した木材について、最終消費者までのルートを追及した結果、中国の工場から出荷され、米国のホームセンターなどの小売店で、珍しい外国木材製品の家具、デッキ、パネル等として販売されていることが判明した。これらの木材はPNGで問題となっているSpecial Agriculture and Business Leases system(SABLs)を利用したマレーシア企業が伐採しているものである。このリース制度で伐採されている土地面積はPNG国土の約12%を占め、地権者の同意なしで伐採されている事例が多い。

Global Witnessの報告では、マレーシア企業のSABLsを利用して輸出される熱帯木材の10%が中国向けだという。中国ではtaunといわれるこれら木材は主に床材として使われるが、かなりの量が加工製品化され米国に輸出されている。Global Witnessによると、米国販売店は違法製品であるか調査も認識もしていないし、材料の原輸出国もどこか意識していない。
SABLsの制度は2009年に始まり、政治家たちが地権者の利益を無視して外国木材伐採企業に99年間の権利を与えており、パームオイル園の70%がSABLsによるといわれる。オニール政権は2013年以来、違法なリース取引の取締りを約束しながら実行していない。2009年以来SABLsにより10億ドル相当とみられる630万㎥の熱帯雨林が輸出され、その利益が現地社会にほとんど還元されていない。彼らはお金よりも森林や土地を日常的な生活空間として大事にしている。このような森林との生活環境を共存する社会は世界でも珍しくなっている。違法伐採木材の輸出禁止に向け、木材の大輸入国である米国、日本、中国、欧州が協力しなければ、PNGの輸出禁止の動きは鈍い。(RNZI/ Aug 2, 17)