海洋資源省とクック諸島漁業協会は、漁獲量が減少している原因についてコンサルタントに依頼した作成した調査報告書を公表した。報告書では、小規模で原始的手作業漁で生計を立てている漁師と、趣味としてのゲーム・フィッシングをする人たちが魚の減少を訴えており、今後、キハダとカツオが一層減少するとみている。彼らは、「自分たちの海は外国漁船のためにあるのか、自分たちのためにではないのか」という素朴な疑問を持っている。魚資源の減少で漁師を止め、海外に出稼ぎに行く人も出ており、漁業文化が崩壊の危機にある。消費者は魚の缶詰やコーンビーフ缶詰を求める一方で、ラグーンの魚を食べることで発症するとされているシガテラ(ciguatera)病も生魚消費の減少につながっている。外国マグロ漁船に対しても地元漁師には何の利益還元もないと批判が多い。漁業部門はGDPの6%を占め、1位の観光部門に次ぐ。現在漁業認可をうけている外国漁船は、北部地域で40隻、南部地域で10隻、主にビンナガとキハダを獲り、米領サモアの魚加工工場に供給している。現在入漁の外国漁船に加え、政府が検討している17隻への調査ライセンス(exploratory license)が発給されれば、魚資源の一層の減少が懸念される。気候変動も漁獲に影響を与え、漁獲量の減少するラニーニャ現象発生の年が増える傾向にあり、マグロ漁の減少につながる。政府の更なる漁業政策推進が求められる。
(Cook islands news/ July 11, 12)
クック諸島
【農水産開発動向】
地元漁師が魚資源減少を懸念(クック諸島)
2012.07.23