約7,000人が住み、その面積が118.9㎢のヤップ島への観光客は年間約5,000人に過ぎない。2012年1月中国成都の会展旅游集団(ETG-Entertainment and Travel Group)が大型ホテルを含む観光開発計画を持ちかけ、島代表と覚書を締結している。計画はその後縮小したが首長や政治家の間で受け入れに対する見解の相違が発生している。Nick Fajir議員は, 住民たちは弁護士や土地鑑定士に相談もせずどんな契約なのかも知らず、島の4分の1がETGにリースされていると慨嘆しているが、Tony Ganngiyan知事は島の経済発展に意思のある人には誰でも支援したいと述べている。FSMは中国と外交関係があり、自由連合協定(Compact of Free Association)により米国から援助資金を受けているが、その資金援助も滞りがちで、しかも保健、教育などに使えても経済開発には使えない制約がある。運輸面でもUnited Airlinesが週2便乗り入れているにすぎない。自立するには観光開発しかないとするヤップに対し、ETGは島を観光開発して、中国からの直行便開設を持ちかけている。Ganngiyan知事は今後も米国が援助しなければ中国政府からインフラ整備に1,200万米ドルの援助を受けられると述べ、中国と国交関係を持つ太平洋島嶼国を対象にした20億米ドルの中国島嶼国地域基金から1億5,000万米ドルを投資するとの話が来ていることを明らかにしている。米国人で島の観光事務所長をしているDon Evans氏は、ETGからの接触はなく、開発によりヤップの文化が崩壊しないよう配慮が必要だとし、昨年87,000人の中国人観光客があったパラオではコロール島の多くのホテルやアパートが中国人に買い占められ、現地住民がコロールで住居を探すのもむつかしくなっていると述べ、ボートの運転など小さな観光事業にまで中国人が増えて新経済植民地となっていると嘆いている。(Radio Australia/ May 2, 16)
ミクロネシア連邦
【観光開発】
【環境・気候変動】
中国企業がヤップに巨大観光施設建設(ミクロネシア連邦)
2016.05.16