元豪州議会太平洋問題委員会の会長であり、現在影の防衛相でもあるRichard Marles議員がLowy Instituteで講演し、豪州は太平洋地域での外交政策の中心的役割を果たさなければ、地域の信頼を失うだろうと述べ、豪州が「植民地時代の威圧的な力」を発揮するようになることを恐れる姿勢は、太平洋島嶼国との効果的な関係維持を抑止することになろうと述べた。同氏によると、太平洋諸国には豪州に地域の中心的な役割を望む声が大きい。豪州は地域への最大の援助国であるが、特にPNGとの防衛協力を進めるなど一層の関係強化が求められる。島嶼国には相手を選ぶ権利はあるものの、豪州はいつまでもその段階にとどまっている国ということには同意できない。最も関心を示す国こそ太平洋で最も影響力を持つ国である。豪州こそそのような国であることを明示し、豪州の世界観の主流が太平洋にあることを明確にすることが重要である。中国が島嶼国に影響力を高めているという懸念は目新しいことではないが、豪州は豊富な外交手段を持ちながら枠にはまった政策にとらわれている怖れがある。豪州は太平洋という地域にあり、地域の将来の発展は我々自身の安全及び我々の国益に密接に関係していることを自覚すべきである。豪州の太平洋との関係は米国、中国との関係に劣らない。太平洋に対しても豪州が彼らに関心を持ち続けていることを行動で示していくことが重要である。太平洋島嶼国が自分たちの将来をどう考えているのかを彼らと一緒に議論する場を持つことがもっと必要である。ニュージーランドは太平洋での役割を、自身の本質(帰属意識)を中心に据えており、島嶼国から理解を得ている。ニュージーランドが太平洋の中に深くルーツを感じていることを理解できるだろう。我々も太平洋にルーツがあることを同じく理解することが大事である。豪州はこの地域にあって期待されてもされなくても主役を演じていかなければならない立場にある。(RNZI/ Nov.21, 17)
太平洋地域
【経済・社会動向】
太平洋地域の外交政策の核となることを期待される豪州(太平洋地域)
2017.12.04