ポヒバ(Akilisi Pohiva)政権の政策に懸念を示した国王が議会解散を命じて実施された臨時総選挙は、ポヒバ首相率いる民主党(Democratic Party)の圧倒的勝利に終わった。民主党は平民17議席枠のうち14議席を獲得した。出版業で解説者のKalafi Moala氏は、ポヒバ氏はトンガで最も影響力のある政治家であると指摘した。また、トンガの政治に詳しいオークランド工科大学のTeena BrownPulu氏は、民主党は今後も勢力を保持し続けるだろうと述べている。
ポヒバ首相は1987年に議員になり、平民としてはセベレ元首相に次ぐ二人目の首相になった人物である。Moala氏は、ポヒバ首相および前政権の行動に対する批判・非難に対して国民が同調しなかったことは興味深い現象だとみている。前ポヒバ政権が「2019年Pacific Games」の開催辞退など国際協定を国王の承認なしに署名してきたため、議会解散はその批判・議論の末に行われた。議会が解散されたが、国民は民主主義の進展にとって解散は適正な措置ではないと判断したのである。前ポヒバ政権と民主党は、国王の意思に背き、警察長官、司法長官、腐敗対策委員長等の任命を行って変化を望む姿勢を示してきた。そのうえ、国王の諮問機関である枢密院(Privy Council)に閣僚を加えるよう要請した。今回の選挙結果は解散に対する批判であり、抗議でもあった。そして、貴族に対してこれまでの考えを変える必要があるという国民の強いメッセージでもあった。なお、33人の世襲貴族と5人の永久貴族の議席は9議席である。(RNZI/ Nov.17, 17)