今月発表された世銀の太平洋成長可能調査(World Bank Pacific Possible study)において、将来、観光が農業および漁業の合計外貨収入額よりも約5倍の外貨を稼ぐ、トンガ最大の産業になるとみている。また、雇用の面からも労働人口の25%を抱える最大の産業にもなると予測している。世銀の調査では、PNG、ソロモン諸島、バヌアツ、フィジー、トンガ、サモア、キリバス、パラオ、マーシャル諸島、FSM, ツバルの11ヵ国を対象にしており、2040年までに全体の観光産業外貨収入が17億米ドルに達すると予測している。太平洋11ヵ国の世界で類のない多様な文化遺産は、世界市場で競合地域・国が存在しない。観光産業の持続的な開発で自分たちの環境及び文化遺産を守り続けていくことができるとも述べている。観光産業は、他部門の経済成長の障壁である「分散した少ない人口」、「狭い土地」、「世界市場からの隔絶」、「限定された天然資源」を逆手に取ったユニークな観光資源を売り物にできる。その対策として、中国海外旅行客の積極的な誘致、急成長しているクルーズ船の誘致、高級リゾートの拡張、先進国高齢退職者向け長期滞在施設の整備などが挙げられる。これにより運営能力の持続的高度化に努めて、高収益を上げることができよう。2040年までに11ヵ国全体で約100万人の中国人を含む約370万人の観光客を呼び込むことが可能だとしている。(Matangi Tonga Magazine)
太平洋地域
【経済・社会動向】
世銀が観光産業をトンガの最大の産業と予測(太平洋地域)
2017.04.03