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PACIFIC ISLANDS NEWS [ 太平洋諸島ニュース ]

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サイクロン・ウインストン来襲とその影響(フィジー)

2月20日過去最大級(category 5)のサイクロン・ウインストン(Cyclone Winston)がビチレブ島およびその他の離島を直撃し、各地に甚大な被害をもたらした。質素な住宅に住んでいた数千人が家を失い、彼らの保存食糧は2・3日分しかないといわれる。バイニマラマ首相は援助国や海外在住フィジー人社会に支援を求めたいと述べているが、政府はまだ(22日)正式に海外に支援を要請していない。まず、豪州が350万米ドル分の食料品・飲料水・衛生用品の詰め合わせ物資を支給し、離島の被害状況を調査するため航空機とヘリコプターを派遣する。ニュージーランドは130万米ドルの緊急支援のほか、支援物資を積載したニュージーランド空軍のHercules機も22日に到着する。政府はフランスからヘリコプターによる協力を得ることを確認しており、国連人道問題調整事務所(UN Office for the Coordination of Humanitarian Affairs)は僻地離島の支援が重要だとしている。今年のPIFの議長を務めるPNGのオニール首相は、フィジーの前例のないサイクロン被害は太平洋島嶼国にとって人ごとではない問題であって、気候変動に起因する極端な天候異変が引き起こす地震、旱魃、高波などに対応すべく、世界の温室効果ガス排出国の協力を強く求めていきたいと述べている。24日現在RNZIはサイクロンによる死者は42名に上ると伝えている。多くの地域で通信が途絶えており、航空機による調査で被害の全貌が明らかになりつつあるが、電気、飲料水の確保に数カ月を要する見通しである。米国と中国は国際赤十字社を通じて各10万米ドルを寄付し、EUは復旧活動支援のため専門家が調査に入っている。英連邦は組織の連帯を強調して支援をすると述べている。アジア開発銀行(ADB)はフィジーの経済を支える観光産業、砂糖産業、農業分野の被害に重大な懸念を示し、緊急支援として200万米ドルの支援を検討している。政府は25日現在の避難所収容人数は人口の5%に相当する約45,000人とみている(RNZI/ Feb.22, 24, 25, 16)