政府の現金収支が悪化し、政治家や公務員の給料支払いが遅延している。政府支払小切手も不渡りが発生している。IMFの最近のデータでは国の負債が公式数値よりも悪化しており、支出も縮小している。政府が10%を所有するOil Search社の株式を担保とするUBS銀行からの10億米ドル融資問題が新たに表面化している。現在の借入金の一部は今月一杯で支払期限が来る。世界的な資源価格下落でPNGでも税収が急落している。昨年9月から給与が減額されている大臣もいる。資金不足は政府ばかりでなく、教会系学校、政府系医療機関などでも9月から発生している。2016年度の政府予算では政府負債を2015年・2016年GDPの35%と計上しているが、現在は約56%に上昇しているとみられる。政府負債は国有企業経費、退職金支払遅延金、投資銀行からの融資などを計上していない。これらのコストは2012年から約3倍に膨れ上がり歳出の約10%に達している。2018年には多額の経費を負担して主催するAPEC首脳会議をポートモレスビーで開催するが、今年度予算では3,700万豪ドル予算を計上して開催準備を進めている。キャッシュフロー危機を乗り越えるため、政府は保健衛生予算を今年は1%、来年は40%カット、また教育予算を今年と来年それぞれ20%カットするとしている。昨年予定していた国債の発行も遅れ、国内資金の流動性がゼロに等しく、海外資金の借り入れもままならない今、解決策の糸口を探るため、オニール首相は2月17日国内リーダーを集めた首脳会議を開き対策を検討する。(Radio Australia/ Feb.16, 16)
パプアニューギニア
【経済・社会動向】
現金収支が悪化(パプアニューギニア)
2016.03.01