MENU閉じる

PACIFIC ISLANDS NEWS [ 太平洋諸島ニュース ]

Home > 太平洋諸島ニュース > 地方州の独立機運高まる(パプアニューギニア)

地方州の独立機運高まる(パプアニューギニア)

 過去10年間、鉱業、石油・ガス産業を中心に前例のない経済成長を続けてきたが、地方住民の間に目に見える恩恵が見られていない。また国連人間開発指数でも世界で最低水準を示しているなか、元首相のニューアイルランド州Julius Chan州知事が、州収入の90%を中央政権が取り上げながら、地方への開発投資が進まなければ国内分裂の危険もあると述べている。最近の全国22州知事会議でも地方開発への中央政府の機能欠如に不満が高まっていて、天然資源、教育、保健など幅広い分野で地方政府に徴税権限を移すなどの措置が必要だとしている。確かに地方州はインフラや行政能力が不足しているが、Sansindran Muthuvel西ニューブリティン州知事は、マヌス州やブーゲンビル州などと比べても州の収入に程遠い予算配分が続き、過去40年間道路、橋、インフラ等の整備開発がされてこなかったとして、現行システムはフェアではないと述べている。 2年前地方の徴税機能を抑制した当時のDon Polye出納長官が、現在野党党首として地方の自治権を唱えているのは皮肉である。Julius Chan知事は、「たとえばハイランド地域が一緒になり、ポートモレスビーよりはるかに強力な国家州政府ができた場合の混乱をも想定している。また、多数の部族と言語からなるPNGでは、地方州が行政能力を欠いた場合の混乱、騒擾が心配される。地方に権限移譲することで地方社会の問題を解決していくのが得策であり、決して国内分裂に繋がるものではない。ブーゲンビル州の内戦はよい教訓である」、とも述べている。(RNZI/ April 20, 15)