空港建設運営に何の経験もないVanuatu Trade Development Ltd.(VTD)が、3.5億米ドルで大型航空機乗りいれが可能となるようバヌアツ空港を拡張し、政府と空港を向こう50年間一括請負運営する契約を交わした。VTDは、世界的な旅行会社のネットワークを通じてアジアから毎年100万人規模の観光客を呼び寄せることを約束、シンガポールを本社とする巨大なパームオイル企業Mewahが後ろ盾になっていると述べている。しかし、Mewah は、VTDはグルプ企業でないと言っており、プロジェクトの関与を否定している。政府与党は過半数の議員を擁してVTDとの契約を承認した。バヌアツのGDPの40%が観光部門からであり、労働人口の3分の1が観光部門であることから大型旅客機の直接乗り入れは長年の夢でもある。VTDは観光客を10倍増加させるとする無名の航空会社と黙諾契約(implicit agreement)をしているという。VTDは、グループの基幹事業は食用油だが、印刷、旅行、保険、タバコ、プランテーションなどを手掛け、2011年の売上は40億米ドルであり、シンガポール証券市場に上場されていると述べている。そして、VTDはグループの一つとして今回の目的のために設立された企業だと述べている。グループの広報担当は、VTDは昨年シンガポールに資本金40万ドルで卸業として登録された企業だと述べている。3.5億ドルはGDPの4分の1に相当し、政府には利権協定(concession agreement)に違反した場合、巨額の補償金を支払う能力はなく野党の反対が強いが、政府もVTDも微妙な問題があるとして詳細な情報を開示していない。
(Radio Australia/ Sept.3, 13)