MENU閉じる

PACIFIC ISLANDS NEWS [ 太平洋諸島ニュース ]

Home > 太平洋諸島ニュース > ADBが太平洋地域経済の減速を予測(太平洋地域)

ADBが太平洋地域経済の減速を予測(太平洋地域)

ADBが発表した2012年経済報告によると、2012年の太平洋島嶼国の経済成長率は6%で、2013年には4%に減速するが、インフレは穏やかに推移すると予測している。ユーロ経済圏の動向は不透明であるが、太平洋地域からの資源輸出が減少し、観光と送金が弱含みとなろう。域内ではインフラ整備が停滞し、信用取引も低下傾向となろう。世界的な経済成長が見通せない中、島嶼国各政府はインフラ、教育、保健衛生部門への投資を着実に実行し、財政と公共部門の運営に成果を上げるよう求められる。公共部門と国営企業の改革が歳出削減に必須であるが、将来の経済不況に対応するには健全な財政運営が欠かせない。例えばクック諸島とニュージーランドの貿易は201対1で、クック諸島から輸出される1位のスクラップ金属は特産である黒真珠よりも多く、健全な貿易は不可能な状態にある。フィジー、ナウル、サモア、トンガの負債レベルは限界を超えている。キリバスもツヴァルも信託基金による財源がマイナスに陥っている。一方、PNG, ソロモン諸島の資源輸出が地域の経済減速をわずかでも支えると期待されるが、PNGは2011年GDPが10%から2012年8%に、ソロモン諸島は9.3%から6%に減速する見込みである。これは、資源輸出金額の減少とLNG開発に伴うPNGの建設工事の終了が要因となる。2012年のクック諸島、サモア、トンガの観光部門は好調だが、2013年には減少が予想される。7期連続で成長してきたバヌアツの経済は鈍化し、2012年4.5%、2013年5%と見込まれる。ただ、バヌアツの民間企業活動促進策が将来への成長につながると期待されている。
(Cook Islands News/ April 11, 12)