中央銀行のthe Bank of PNGが発表した金融政策報告書によると、2011年の実質国内総生産はLNG開発計画の進展により9.5%の成長を予測し、昨年の8%を上回った。これは昨年11月に6億5,330万キナの補正予算を決めたことも成長に寄与している。世界的な鉱物資源、農産品の高騰も財政支出増に貢献している。2010年のインフレ率は7.2%で2011年は8.5%とみられ、いわゆるDutch Disease(天然資源の輸出により外貨が増えることで為替レートが上昇したため国内製造業が弱体化する現象)も含むインフレ圧力が依然として強いが、中央銀行では経済のプラス成長で屈服できるとしている。しかし、中央銀行は政府に対して物価の安定化、2011年度の予算額93億キナの予算枠内歳出、すべての信託勘定を民間銀行から中央銀行への移管、等を求めている。その他にも幾つかの財政政策実施を政府に求めているが、限りある生産資源開発は民間に任せ、現在の輸送、社会部門のインフラ整備を推進して、保健、教育、法規を整備向上させるべきだとしている。また、LNGプロジェクト完成後培われた人材に対する労働市場の提供、中国やインドなど低コスト生産国からの輸入価格の監視などを行うことでDutch Diseaseを最小限抑え、インフレも1桁台にもっていけるとしている。LNG開発事業が商業ベースに乗り、配当、ロイヤルティー、法人税などの収入が得られるようになったら、国は国民全体が利益を享受できるよう持続的、効率的、生産的にその利潤を活用できるような体制を構築しておかねばならない、と結論づけている。
(Post Courier/ April 1, 11)
パプアニューギニア
【経済・社会動向】
9.5%の成長を予測(パプアニューギニア)
2011.04.01