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PACIFIC ISLANDS NEWS [ 太平洋諸島ニュース ]

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環境保護団体が土地使用の一時停止を提唱(パプアニューギニア) 

 熱帯生態系の研究と良識ある利用を提唱する世界最大の熱帯生態系保護協会(ATBC-The Association of Tropical Biology and Conservation)は、PNGの特別農・産業土地リース(SABLs-Special Agricultural and Business Lease―注:政府が部族所有土地のリース契約を代行することができる協定)の急速な拡大に異議を唱え、SABLsの活動を縮小する方向で見直すべきだとする緊急提案を行った。ATBCによると、「PNGは地球上でもっとも多様な生態系と文化を保持し、850の異質の文化と言語が伝統的な土地と森に依存して存続してきている。土地は原住民社会で所有され、憲法でも認められているところであるが、過去約20年間産業用木材伐採、鉱山、ガスその他大規模開発で地権者の土地が法律で収奪されてきた。本来、地元の農業開発を推進するはずであったSABLsが、地元社会を裏切り伝統的地権者の権利を奪い、99年という長いリースで外資企業や木材伐採に向けられてきた。2010年だけでもSABLsが認可した土地は260万ヘクタールですべて99年リース、全体で500万ヘクタール以上の地域共同社会所有の土地が開発用地に変わった。そして、固有の生態系と文化を育んできた約200万ヘクタールの森林が開墾されてきた。SABLsは、国の天然資源と活力ある国内産業を持続的に発展させ国民の生活水準の向上が求められていることを認識し、これまでの乱開発を規制し、地域共同社会の土地所有権を尊重して開発を進めることが国民全体の利益になる、同じことがPNGで開発を行っている企業にも求められるところである」と述べた。またATBCは、持続的経済成長のために地元民の直接参加による土地使用契約に基づく総合的な土地利用計画を作り、国民が社会的、環境的恩恵を享受できるようにして、天然資源の恩恵を国民全体にもたらすべきだと結論づけている。
 (Post Courier/ April 20, 11)