専門家らはイスラエルおよび米国によるイランへの攻撃と、その後のイランの対応を受け、太平洋地域の燃料価格上昇を警告している。イランは世界の石油・ガス供給の20%が通過するホルムズ海峡に面しており、両国による攻撃後、輸送は停止されている。原油価格は1バレル当たり最大100米ドルまで上昇する可能性があり、今回の中東戦争が「世界的エネルギー危機」を引き起こすのではないかとの懸念が広がっている。太平洋島嶼国の燃料価格は、輸入依存と長距離輸送のため、もともと高く変動しやすい。RNZ Pacificに対して、SydneyにあるMST Financialのエネルギー部門アナリストであるKanovic氏は、「脅威は深刻である。今後の状況が解消せず、ホルムズ海峡通過が大きく妨げられたままであれば、1970年代以来の世界的エネルギー危機に直面することになる。そして、それ以上になる可能性もある。より孤立し、経済が多角化されていない国ほど、価格ショックの影響が大きくなる」と述べた。太平洋地域では、価格高騰への対策として、輸入燃料は通常、数ヶ月分を前渡しとする先物契約(forward contracts)と大量発注で支払っている。しかし、その影響は海上輸送や航空輸送の運賃にも組み込まれる可能性があり、距離の関係で元々高い太平洋地域の輸送費をさらに押し上げる恐れがある。バヌアツの国際開発特使であるCraig氏は、「紛争の影響の深刻度は、太平洋諸国の石油備蓄を紛争の期間が上回るかどうかにかかっている。今のところパニックはないが、いずれ燃料価格は上昇するだろう。影響が出始めれば、太平洋の店頭に並ぶすべての輸入品、観光業、地域間移動に影響する可能性が高い」と言及した。パプアニューギニア(以下、「PNG」)のTkatchenko外相は、「石油・ガス輸出国として、自国に一定の利益が生じる可能性がある」と述べたうえで、「PNGには確実に利益がある一方で、国内市場向けの燃料価格は上昇する」と話している。PNGは主に石油ガス輸出国であり、中国、日本、台湾が最大の輸入国となっている。中東の影響でLNG価格は上昇しているが、PNGは地理的距離により比較的守られており、生じた不足分を補うことが可能となる。Tkatchenko外相は、「残念ながら打撃を受けるのは消費者、つまり国民」と述べた。価格上昇は、税収増を意味することになる。2025年予算によれば、PNGの鉱業・石油税は約9億7100万米ドルを計上し、2024年比16.5%増となった。この税は鉱業・石油製品の販売益に連動し、PNGにとって第二の税収源である。PNGのMarape首相が地元メディアに語ったように、政府はこれにより、将来的な価格急騰時にも消費者支援を約束できる立場に立つ可能性がある。(Radio New Zealand/MAR04, 2026)
https://www.rnz.co.nz/international/pacific-news/588562/a-global-energy-crisis-fuel-price-hike-looms-for-pacific-amid-middle-east-conflict
太平洋地域
【経済・社会動向】
「世界的エネルギー危機」:中東紛争を受け太平洋で燃料価格上昇の見通し(太平洋諸島)
2026.03.10