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PACIFIC ISLANDS NEWS [ 太平洋諸島ニュース ]

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太平洋島嶼国出身の米軍退役兵士、医療支援を受けられず(マーシャル諸島、ミクロネシア連邦、パラオ)

ミクロネシア連邦のkosrae出身で、26年間米陸軍に従軍した退役軍人Henry氏(66)の死去は、太平洋島嶼国出身の米軍退役兵が、約束された医療支援を依然として受けられていない現状を改めて浮き彫りにした。Henry氏は2003年のイラク侵攻にも参加したベテラン兵士であり、除隊後は故郷のKosraeに戻ったが、長年にわたり、マーシャル諸島、ミクロネシア連邦、パラオ出身の退役軍人に対する医療支援拡充を訴え続けてきた人物でもあった。これら3つの米国自由連合国の出身者は、現役時代は米軍に所属しながらも、除隊後に島嶼部へ帰国すると、米国本土や海外拠点にあるような米国退役軍人局(US Veterans Administration:VA)の医療サービスを受けることができずに、医療を受けるためには、自己負担でHonoluluやGuam、あるいは米本土まで渡航する必要がある。近年、米国議会はこの問題を是正するため、VAに対して島嶼部での医療提供体制を構築するよう明確に指示する法整備を進めてきた。2024年に成立した自由連合協定(Compact of Free Association:COFA)改正法にも、島嶼部での退役軍人医療を実施する条項が盛り込まれている。マーシャル諸島のPaul駐米大使は、1月に開かれた米下院退役軍人問題小委員会で、「COFA改正法は、島嶼部で医療を受けられる体制を整備することを意図していた」と証言した。しかし、「VAはその実施に踏み切っておらず、法律の趣旨に反する対応を取っている」と批判した。映画『Island Soldier』の監督であるFitch氏も、「Henry氏が2008〜2009年頃から一貫して退役軍人医療の問題に取り組んできたと証言し、COFA出身退役兵への支援拡充は、Henry氏の重要な遺産であるべきである」と語った。マーシャル諸島のKaneko外相をはじめとする元米軍兵士の政治家による働きかけもあるにもかかわらず、いまだ具体的な医療提供に結びついていない。Kaneko外相自身も米陸軍に20年間従軍した経験を持ち、「島嶼国出身者が米軍に参加する割合は、多くの米州を上回る」と指摘している。2025年12月に成立した、3,000ページを超える国防授権法(National Defense Authorization Act)には、VAに対して、島嶼国政府との協議、医療提供開始までの工程表、必要経費の見積もりを含む実施計画を策定し、米国議会に対して30日以内、その後は毎月進捗を報告することを義務づける条項が盛り込まれた。Kaneko外相は、12月の法整備について「前向きな内容だが、最も重要なのは実行であり、法的約束が現場で履行されなければ、長年の不公平は解消されない」と強調した。マーシャル諸島政府は、米政府当局と建設的に協力する用意があるとしつつも、約束が実際の医療提供につながるかどうかを厳しく注視している。(Radio New Zealand/JAN30, 2026)

https://www.rnz.co.nz/international/pacific-news/585429/micronesia-island-us-military-veterans-struggle-to-get-healthcare