<選挙>
サモア:年明け早々、議会で不満が噴出した。2025年1月に与党FAST党の分裂を受け、当時のFiame首相は、Schmidt党首および複数の閣僚を閣外に追い出した。これに対してSchmidt党首側はFiame首相を党から除名し、Fiame首相は少数与党政権を率いる形となった。5月には2025年度予算案が否決され、Fiame首相は敗北を認めた。8月29日の選挙ではFAST党が30議席、HRPPが14議席、Samoa Uniting党が3議席、無所属が4議席を獲得した。9月にはSchmidt氏が第8代首相に就任したが、その後数週間はAucklandで医療治療を受けていた。トンガ:11月に選挙が行われ、6人の人民代表と2人の貴族代表を含む8人の新議員が誕生した。選挙では給油待ちに何時間も要する事態が発生した燃料不足等が深刻な争点となった。新首相は議会での無記名投票により選出され、Fakafanua氏が16対10で勝利した。Fakafanua氏は母方がQueen Salote IIIの孫にあたる王族系譜を持ち、父方にも貴族の血統がある。また、Tonga Rugby Leagueの会長も務めている。バヌアツ:2月、Napat氏が無投票で首相に選出され、過去5年間で5人目の首相となった。2024年11月、当時のVurobaravu大統領が不信任決議を前に議会を解散したことが選挙の契機だった。国民は政治安定化を目的とした国民投票を支持していたにもかかわらず、政情不安は続いた。Napat氏率いるLeaders党が1月の総選挙で最多議席を獲得したが、首都ポートヴィラは2024年の地震(少なくとも14人死亡)からの復興途上にあった。ナウル:Adeang氏が無投票で大統領に再選された。19人の議員のうち1人が議長となるため、残る18人により大統領を選出する仕組みである。Adeang氏は、過去の政権や司法相時代から「物議を醸す指導者」と評されている。
<保健>
2025年1月、フィジー保健当局がHIV(ヒト免疫不全ウイルス)の流行を宣言した。同年9月には12月までに3,000件を超える可能性が示され、「国家的危機」と表現された。無防備な性行為、薬物使用、妊娠・出産時の母子感染が主因とされた。パプアニューギニアでも6月に国家的HIV危機が宣言された。サモアではデング熱で7人が死亡し、うち2人は同一家族の子どもだった。感染拡大防止のため学校閉鎖が実施された。トンガでも3人が死亡後、8月に流行終息が宣言された。キリバス、ツバル、フィジーの一部でも流行が確認された。世界保健機関(WHO)は、太平洋地域の症例数が2016年以来、最高水準に達したと発表した。WHO太平洋地域テクニカルサポート部長のJacobs氏は、7月時点で疑い症例が18,766件に達したと述べ、人の移動、気候変動、感染ホットスポットへの理解不足が要因だと指摘した。5月にはパプアニューギニアでポリオの流行も宣言され、実際に症状が出たのは1例で、30件以上が無症候感染だった。また、ワクチン未接種の4歳児が急性弛緩性麻痺(acute flaccid paralysis)を発症したとの報告もある。(Radio New Zealand/DEC31, 2025)
https://www.rnz.co.nz/international/pacific-news/582831/2025-in-review-politics-health-and-climate-change-dominated-pacific-news-headlines-this-year
太平洋地域
【経済・社会動向】
2025年の主要ニュースは政治混乱、感染症、気候変動(太平洋諸島)①
2026.01.15