MENU閉じる

PACIFIC ISLANDS NEWS [ 太平洋諸島ニュース ]

Home > 太平洋諸島ニュース > 『Lea Tupu’anga/Mother Tongue』がオスカー候補を目指す(トンガ)

『Lea Tupu’anga/Mother Tongue』がオスカー候補を目指す(トンガ)

過去に受賞歴のあるトンガの短編映画『Lea Tupu'anga / Mother Tongue』が、第98回アカデミー賞短編映画賞部門でのノミネートを目指し、資格取得とプロモーション活動を進めている。本作は、昨年初めて世界20ヶ所の国際映画祭で上映された。米国のサンダンス映画祭では、トンガ映画として初めて出展されたことが大きな話題となった。Vea Mafile'o監督と主演のBuchana氏は、公式にオスカー出品資格を得るための手続きとキャンペーンに取り組んでいる。祖母との関係がもとになった脚本で、その内容は若い女性が自らのトンガのルーツと言語(mother tongue)との再接続を模索する物語となっている。Buchana氏は、昨年のオスカー申請の期限を逃したため、これは1年越しの再挑戦であり、締め切り直前まで映像・資料のアップロードや必要書類の整備に奔走したと振り返り、「申請は簡単ではなく、多くの資料を揃える必要があった。約1ヶ月前に受理の知らせが届いて盛り上がった」と語った。Mafile'o監督はドキュメンタリー『For My Father's Kingdom』などの作品を過去に出しているが、今回の短編映画は資金や著名人の後押しが少ない中で、コミュニティの力で作り上げたと説明している。「どうやって視聴者や票を持つ人々の目に留めるか戦略が必要だった。私たちにあるのは人々、つまり村のような支援である」と話し、コミュニティ主導のプロモーション=「Red Wave」を起こす意欲を示している。Buchanan氏は、俳優として最近ではNetflixの『Night Agent』やHawaiian歴史劇『Chief of War』にも出演しており、映画の宣伝と観客動員に大きく貢献している。彼女はコミュニティからの反応に感激しており、Mafile'o監督は「コミュニティの支えで、すでに勝利を感じている」と語っている。第98回アカデミー賞の正式なノミネートリストは、2026年1月22日に発表される予定となっている。Mafile'o監督と主演のBuchana氏は、もしノミネートが実現であるなら「宝くじに当たるような感覚」になるだろうと語りつつも、すでに国際映画祭での評価とコミュニティの連帯という成果を誇りをもっている。また、両者は今回の成功が他のトンガの人たちや太平洋の映画製作者の道を切り拓くことを望み、将来の人材育成や制作支援にも積極的に関わる意向を示している。「私たちは唯一の存在であり続けたくない、より多くのトンガの物語を映画で伝えたい」と締めくくった。(Radio New Zealand/DEC06, 2025)

https://www.rnz.co.nz/international/pacific-news/580981/lea-tupu-anga-tongan-short-film-mother-tongue-eyes-oscars-nomination