オーストラリアとソロモン諸島が、警察力強化と新たな訓練センター建設を支援する1億9000万ドルの計画を発表してからほぼ1年が経つが、進展はほとんどみられていない。2024年12月、両国はRSIPF(Royal Solomon Islands Police Force)の規模と能力を高め、持続的な主権的治安体制の確立を支援すると共同声明を出しているものの、訓練センターの建設開始時期は決まらず、警察増員も具体的に始まっていない。ソロモン諸島側では、資金の使い方を巡って内部議論が続いており、支援を正式化するMoU(了解覚書)もいまだ署名に至っていない。ソロモン諸島のManele首相は協定文書の「文言」を調整中だと述べ、合意の見通しは示さなかった。警察支援は中国との関係が絡む敏感な分野であり、ソロモン諸島では中国の警察訓練が拡大していて、それ対してオーストラリアは安全保障分野での中国の影響を抑える狙いがあるとみられる。そして、Manele首相は、MoUがなくても警察アカデミーなど個別プロジェクトを進める可能性を示唆した。オーストラリア側は、ソロモン諸島の治安優先事項に沿って支援すると説明している。ソロモン諸島政府は国家安全保障戦略を開始したばかりで、警察力の「能力と体制」を再評価するには時間が必要と強調している。国際的な義務や国内の優先事項を踏まえた内部審査が続く中、最終合意の時期は依然不透明となっている。(Radio New Zealand/NOV26, 2025)
ソロモン諸島
【経済・社会動向】
オーストラリアとの警察支援協定、文言対立で遅延(ソロモン諸島)
2025.12.02