米非営利団体Pew Charitable Trustは、西中部太平洋まぐろ委員会(WCPFC)に対して、違法・無報告・無規制漁業(IUU)対策、特に港湾国措置(Port State Measures)の強化と公海での積み替え(transhipment)管理の改善を急ぐよう求めている。12月1日から5日にマニラで開催予定のWCPFC会合を前に、Pew Charitable TrustのHolmes氏は、南太平洋ビンナガマグロで管理手続き(Management Procedure)の採択が見込まれる一方で、IUU漁業と積み替えの議論が遅れていると指摘した。同氏は、WCPFC の公海積み替え管理が世界5つのまぐろ RFMO(地域漁業管理機関ーRFMO:Tunas Regional Fisheries Management Organization)の中で最も遅れているとの報告が公表予定であると示しており、FAO(国際連合食糧農業機関 : Food and Agriculture Organization of the United Nations-FAO)ガイドラインと整合する改善が必要だと訴えた。主な論点としては、一部加盟国は公海での積み替え全面禁止を主張しているが、他の加盟国は現行の監視体制で十分と反論していることが挙げられている。これに関しては、8年以上議論されているが妥協点は見えていない。また、ロングライン漁業での観察員配置が5%に過ぎず、当団体が100%配置を要求していることも主な論点となっており、WCPFC は唯一、コンプライアンス審査に独立観察員を認めていない。また、Holmes氏はビンナガだけでなく、キハダやメバチの管理手続き策定も進めるべきと主張している。(Radio New Zealand/NOV19, 2025)
https://www.rnz.co.nz/international/pacific-news/579334/non-profit-calls-for-stronger-action-on-illegal-fishing-and-high-seas-transhipment
太平洋地域
【農水産開発動向】
非営利団体、違法漁業と公海上積み替えへの対策強化を要請(太平洋諸島)
2025.11.25