11月20日、トンガは2010年に民主化されて以来5回目の総選挙を迎える。だが政治評論家Senituli氏は、近年の動きが 「2010年の民主改革の後退」 を示していると言及した。昨年、当時のSovaleni首相に対する不信任案が可決され、同氏は議会で即辞任した。その背景には、首相と国王Tupou VIの確執があったと広くみられている。宮内庁からの外相批判の書簡漏洩を経て、議会は外交権限を国王に全面移管し、「国王外交局(His Majesty’s Diplomatic Service)」へ改称した。こうした一連の動きは、国民不在のまま権限が王室へ戻っているとの批判を招いている。一方、貴族議員のTuivakano氏は首相は26名の議員より選出されるのでなく、国王が指名すべきと主張し、民主化以前への逆戻りを提案している。民主統治の課題としては、過去15年で5人中4人の首相が不信任案に直面したことが挙げられる。また、汚職・買収で10名の議員が有罪となっている他、貴族代表(33名の世襲貴族らによる間接選出)が議席の3分の1超を占めていることも問題視されている。一方、首都 Nuku’alofaの有権者の関心は政争よりも生活問題で、道路の老朽化、医療、治安、若者支援、高齢者年金などの改善を求める声が多い。 Senituli氏は、王の政治介入強化は、民主改革の後退につながると強い懸念を示している。(Radio New Zealand/NOV20,2025)
https://www.rnz.co.nz/international/pacific-news/579446/tongans-are-heading-to-the-polls-for-just-the-fifth-time-is-their-young-democracy-on-the-line
トンガ
【経済・社会動向】
5回目の総選挙ー歴史の浅い民主主義が岐路に立つのか(トンガ)
2025.11.25