MENU閉じる

PACIFIC ISLANDS NEWS [ 太平洋諸島ニュース ]

Home > 太平洋諸島ニュース > 中国が経済減速を太平洋地域での外交戦略に転化(太平洋諸島)

中国が経済減速を太平洋地域での外交戦略に転化(太平洋諸島)

国内需要の低迷と西側諸国の関税圧力により、中国は過剰な産業能力を国外に向けて拡大している。道路、鉱山、港湾などの大型インフラ事業を通じて、経済の活性化と影響力の拡大を同時に進めている。人口が高齢化し、世界的な需要が弱まる中でも、成長目標は国有企業や中央計画機関に縛られたままとなっている。経済活動のエンジンを回し続けるため、中国政府は太平洋という新たな開拓地を見つけた。資源が豊富で、政治的に分断され、すぐに結果を出せる太平洋地域は、経済的救済と地政学的機会の両方を提供してくれる。中国の戦略は一見寛大に見えるが、実質的には中国国内の弱点を世界的な影響力に変える策略となっている。国内での過剰生産能力は、海外ではインフラ外交となる。特にソロモン諸島のGold Ridge鉱山拡張やTina水力発電所計画では、中国企業が迅速に資金・労働力を動員し、成果を可視化することで信頼を築いている。しかし、環境リスクや地域社会の不安も増大しており、住民の間では「短期的繁栄と長期的不安」の声が高まっている。また、中国政府は安全保障関係も強化しており、先日太平洋島嶼国との第4回法執行・警察協力に関する閣僚級対話を主催した。フィジー、ソロモン、トンガ、キリバス、バヌアツ、サモア、ナウル、パプアニューギニアの閣僚が江蘇省に集まり、より緊密な警察連携と「専門的、効率的、友好的」な協力について話し合った。この会議は、中国が経済面だけでなく、安全保障面でも太平洋との結びつきを重視していることを反映している。オーストラリアは「太平洋ファミリー」の価値観と統治改革を推進し、米国政府は防衛協力を主張するが、中国は「発展の共有」に傾いており、目に見える変革で対抗する。発展が遅々として進まず、ばらつきがある地域では、新しい道は改革の約束よりも政治的な重みがある。同時に、中国は自らを気候変動リーダーとして位置づけ直そうとしている。9月下旬、中国は新たな排出量目標を発表した。2035年までにピーク時のレベルから7〜10%削減し、非化石エネルギーを30%以上導入し、風力と太陽光の発電能力を2020年の6倍に引き上げるといった内容である。太平洋地域のパートナーに対するシグナルは明確であり、中国は単なる建設国ではなく、世界的な気候問題解決国ということである。しかし、中国がこの目標を達成できるかどうか、またどのように達成できるかは、不明確である。専門家は、「中国の影響力は援助の多寡ではなく、スピードと可視性に基づく。こうした外交モデルは環境保護や透明性が維持されなければ、逆に信頼を損なう可能性もある」と指摘した。(Radio New Zealand/OCT20, 2025)

https://www.rnz.co.nz/international/pacific-news/576427/china-s-economic-slowdown-has-become-its-diplomatic-weapon-in-the-pacific