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相互防衛条約(Pukpuk Treaty)は太平洋地域の新たな秩序を象徴する一歩(パプアニューギニア、オーストラリア)

この相互防衛条約は地理的・歴史的な関係を基盤とし、両国が「隣国として共にある」ことを強調している。パプアニューギニア(以下、PNG)のMarape首相は、「地政学ではなく地理が生んだ協定」と述べ、オーストラリアを「安全保障上の最良のパートナー」と位置づけた。当条約には訓練、情報共有、災害救援、海洋協力が含まれ、主権尊重を明記している。一方、元司令官Singirok少将らは、「国会承認を伴わない外国軍活動は、主権侵害になり得る」と警鐘を鳴らしている。PNG国防軍の弱体化を指摘し、オーストラリアへの過度な依存を懸念する声もある。「自国防衛を他国に委ねる動きだ」との批判もあり、主権と安全保障のバランスが問われている。この条約は、昨年の米国との防衛協力協定(Defence Cooperation Agreement)と並び、PNGが米豪を中心とした安全保障ネットワークに組み込まれる流れを強めるものとされる。米国が装備・抑止力を提供し、オーストラリアが訓練・運用面を支援する構図である。これに対して、中国は排他的枠組み化を懸念しつつも、PNGへの融資やインフラ支援を継続している。Marape首相は、「全ての国と友好関係を保つ」と述べ、対立より協調を重視する姿勢を示した。この条約はトクピシン語でワニを意味する「Pukpuk」に因んで名づけられ、耐久と信頼を象徴する当条約の成否は、透明性と議会の監督、そして、実際に「相互防衛」が何を意味するのかについての共通理解にかかっている。(Radio New Zealand/OCT07, 2025)

https://www.rnz.co.nz/international/pacific-news/575206/the-pukpuk-treaty-and-the-future-of-papua-new-guinea-australia-relations