ニューヨークで開催された第80回国連総会(UNGA80)において、海洋保護のための画期的な協定、国連公海条約が正式に承認され、国際法となることが決まった。これは、世界の海洋の環境を守るために、初めて大きな一歩を踏み出すものである。生物多様性条約(BBNJ: Biodiversity Beyond National Jurisdiction)とも呼ばれるこの条約は、深海の野生生物を保護するための新たな措置を導入し、海洋資源を管理する際に高い環境基準を維持する法的義務を各国に課すものでもある。この条約の重要な側面は、国際水域における海洋保護区の設置である。これは海洋の特定の地域が保護のために確保されることを意味し、これらの地域での活動が環境に与える影響を評価することが義務づけられることになる。また、各国が国際的に協力して海洋資源への公平なアクセスを確保し、海洋からの利益を共有すること、そして貧しい国々における海洋技術の開発を支援することを奨励している。パラオは2024年1月22日に同条約を批准した最初の国であり、Whipps Jr.大統領は、「この成果は島嶼国の役割に対する誇りと海洋の生物多様性を保護し、気候変動と闘うための各国の団結を象徴している」と述べている。しかし、深海保全連合(DSCC)のように、深海での採掘や破壊的な漁業といった有害な活動は、条約の目標を台無しにしかねないと警告する団体もある。提言者たちは、「当条約が真の効果を発揮するためには、各国政府は断固とした行動をとり、破壊的な行為を防ぎ、将来の世代のために海洋の健全性を優先させる必要がある」と言及している。9月29日、国連総会は終了する。(Radio New Zealand/SEP22, 2025)
https://www.rnz.co.nz/international/pacific-news/573732/historic-un-high-seas-treaty-approved-as-new-era-of-global-ocean-protection-begins
太平洋地域
【環境・気候変動】
歴史的な国連公海条約が承認ー世界的な海洋保護の新時代の始まり(太平洋諸島)
2025.09.30