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PACIFIC ISLANDS NEWS [ 太平洋諸島ニュース ]

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国際司法裁判所、各国が排出量に法的責任を負うと判決(太平洋諸島)

国際司法裁判所は、各国が温室効果ガスの排出に対して法的責任を負うとの判決を下した。気候変動に対処する世界的な行動の遅さに長い間不満を抱いていた太平洋諸国は、この判決を大いに期待していた。国際司法裁判所の岩澤所長は、「気候変動は緊急かつ存続的な脅威であり、明白に人間の活動によって引き起こされ、その結果や影響は国境を越えるものである」と述べた。この裁判所の見解は、2019年に太平洋地域の大学生グループから始まった6年間にわたる提唱活動と外交交渉の集大成であるといえる。岩澤所長は2時間近くかけて要約を読み上げ、「国家は国際法の下で明確な義務を負っており、各国、ひいてはその中の個人や企業は排出量を削減することが求められている。環境の保護は、人権を享受するための前提条件である。海面上昇、砂漠化、干ばつ、自然災害は、生命への権利を含む特定の人権を著しく損なう可能性がある。」と言及した。国際司法裁判所は、多くの太平洋諸国にとって重要なことは、海面が上昇して国家が完全に失われた場合、どうなってしまうのかという点であり、「ひとたび国家が成立すれば、その構成要素のひとつが消滅しても、国家としての地位が失われるとは限らない」という見解が示されたことである。国際司法裁判所の意見には法的拘束力はないが、気候変動訴訟や気候変動に関連した損失や損害に対する補償や賠償の請求の門戸を開く可能性があり、無視できない重要な法的・政治的重みがあると専門家は指摘する。バヌアツのRegenvanu気候相は、判決は予想以上に良いものであったとし、「最も喜ばしい点は、気候変動対策が後退しているようにみえる現状において、(判決が)非常に力強いものであった」とRNZ Pacificに語った。太平洋共同体(SPC)の気候変動担当ディレクターであるPasisi氏は、「今回の判決は太平洋島嶼国にとって大きな成果である。科学は非常に明確であり、温室効果ガスの排出、地球温暖化、そして特に最も脆弱な国々を引き起こしている被害には直接的な関係があることが認められた」と話した。(Radio New Zealand/JUL24, 2025)

https://www.rnz.co.nz/international/pacific-news/567833/un-s-highest-court-finds-countries-can-be-held-legally-responsible-for-emissions