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PACIFIC ISLANDS NEWS [ 太平洋諸島ニュース ]

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縫製業における賃上げを巡る対立(フィジー)

フィジー労働組合は衣料品工場の労働者に対する生活賃金(時給8ドル)を求めているが、業界関係者は支払い能力に限界があると反論している。フィジー繊維衣料・履物協議会の元会長であるMike Towler氏は、インタビューで次のように述べている。国内縫製部門の状況については、 「かなり悲惨な状況だ。2022年と2023年のパンデミック直後、フィジーは熟練労働者の20~25%をオーストラリアとニュージーランドに奪われてしまった。フィジーから熟練労働力が流出してした結果、私たちの産業では熟練した技術を持たない多くの人々が働くことになった。生産性は低下したのに賃金は高騰した。」と話した。労働組合が求めている時給8ドルについて、同氏は「労働力がもっと熟練し、生産性が高ければ時給8ドルを支払うことも可能だが、そうではない。私はこのフィジーで33年間ビジネスを続けてきたが、賃金だけでなく、生産性や原材料など諸経費を維持することができなくなったため、このたび完全にビジネスを閉じた。」という。そして、人々の時給5ドルでの生活に対しては、「フィジーでは時給5ドルでも生きていける。時給5ドルというのは基本給だ。」という。トランプ関税の影響については、 「関税は長期的な問題ではないと思う。サプライヤーをベトナムからフィジーに変えるという事は簡単にはできないし、バングラデシュやベトナム、そして中国などは、フィジーが現在得ているものより良い取引を交渉しようとしている。フィジーでは20人以上を雇用する場合、法律により、少なくとも月に一度は労働者が抱えるあらゆる苦情について話し合うことが義務付けられている。労働組合は、様々な点で実態と異なる情報を流しており、業界への誤解を招いている事を懸念している。」と述べた。(Radio New Zealand/MAY15, 2025)

https://www.rnz.co.nz/international/pacific-news/560920/who-s-telling-the-truth-about-fiji-s-garment-workers