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PACIFIC ISLANDS NEWS [ 太平洋諸島ニュース ]

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中国との深海採鉱契約を模索(キリバス)

電気自動車のバッテリーに使用される深海金属の探鉱計画の最前線に立つ企業が、キリバス諸島との協力関係が破綻したため、太平洋の探鉱地域の3分の1を放棄した。これにより、中国が競争の激しいこの事業分野における地域的足がかりを拡大する道が開かれた。キリバスの漁業海洋資源省は3月17日、先週中国の大使と「海底資源の持続可能な採掘に向けた協力の可能性を模索する」ための会談を行ったと発表した。これについては、太平洋地域で意見が分かれている。経済的に遅れをとっている一部の島国では、深海採鉱を新たな財源として生活水準の向上や外国からの援助への依存度の低減につながる可能性があると見ているが、他の島国では強く反対している。キリバスは2024年6月、国際海洋機構(ISA)に対し、海域の探査は新型コロナウイルス感染症のパンデミックと「技術パートナーであるTMCの子会社、DeepGreen Engineeringとの業務上の困難」により進展していないと述べた。ISAの報告書によると、キリバスは深海採鉱に新たにパートナーを求めていることを示唆したという。グリーンピースの深海採掘キャンペーン担当者、Casson氏によると、温室効果ガス排出削減の公約から大手企業が総じて撤退する中、深海採鉱企業は、産業の利点として、国家安全保障、防衛、鉱物供給の安全保障を強調する方向に転換した。この変化は、一部の電池メーカーや自動車メーカーが深海鉱物を使用したくないと表明したこと、また、電池技術の進化により、深海のノジュールに含まれる鉱物の一部の必要性が減少する可能性があることから生じたと、彼女は述べた。深海採鉱企業であるThe Metals Company(TMC)の最高経営責任者Barron氏は、「我々にとってキリバスからの撤退は優先順位の問題であった。我々は、最も高い見返りが期待できる場所に投資を継続する必要があった。そして、我々の後釜を狙っている他のパートナーがいることも知っていた」と語った。また、TMCが2月に投資家向けに行ったプレゼンテーションでは、深海採掘の環境への影響に関する調査の速報結果は「好ましい」ものだったと述べた。その一方で、業界と利害関係のない機関の研究では、1979年の深海採鉱テストの現場は40年以上経っても回復していないことが示されている。ミクロネシアの環礁国であるキリバスは、人口約12万人の低地国であり、過去10年間で中国との関係を深める一方で、伝統的な支援国であるニュージーランドやオーストラリアとの関係は緊張している。これは、中国がインフラ整備や支援を通じて米国の優位に挑戦しているという、同地域における地殻変動の一部である。中国は先月、南太平洋の準自治領であるクック諸島と深海鉱物採鉱に関する協力を含む協定に調印し、伝統的な支援国であるニュージーランドをいらだたせた。クック諸島は排他的経済水域内に多金属性ノジュールを豊富に有しており、その採掘にはISAの承認は必要ない。(Radio New Zealand・MAR18, 2025)

https://www.rnz.co.nz/international/pacific-news/545172/kiribati-explores-deep-sea-mining-deal-with-china