トランプ大統領は、不法移民を「数百万人単位」で国外追放するつもりであることを明確にしており、太平洋諸島の指導者たちは、米国に滞在する数百人の太平洋諸島出身移民を国外追放する計画について懸念しており、犯罪歴のある国外追放者が多数島々に到着する可能性がある事を危惧している。具体的には強制送還の危険にさらされている140万人のうち、フィジー人は561人以上、トンガ人は151人、サモア人は57人である。またトランプ大統領最終退去命令には166人のニュージーランド人、5人のパプアニューギニアからの強制送還者、3人のソロモン諸島とキリバスからの強制送還者、2人の仏領ポリネシアからの強制送還者、1人のツバルとバヌアツからの強制送還者が含まれている。同事態に、トンガ、フィジー、サモア、パプアニューギニア、マーシャル諸島の各国首脳は警戒を強めている。これらの国々はすでに、米国、オーストラリア、ニュージーランドで深刻な薬物犯罪や暴力犯罪を犯し有罪判決を受けた多数の犯罪者の受け入れに苦慮している。1月20日のトランプ大統領就任以来、米国移民税関捜査局(ICE)の取締・強制送還業務により、全米で数千人の不法移民が逮捕されている。既に強制送還便が就航しており、米軍機で移民を出身国や第三国に移送している。トンガのエケ首相は、トランプ大統領の移民政策について同様の懸念を表明し、強制送還された移民の流入は、トンガが抱える多くの課題をさらに悪化させるだけだと述べた。太平洋諸国は、蔓延する覚醒剤取引に既に苦しんでいる島々のひとつであり、国外退去者の増加がこの問題を悪化させるのではないかという懸念が広がっている。自由連合協定(COFA)により米国での居住と就労の権利を有するマーシャル諸島、パラオ、ミクロネシア連邦の政府関係者は、国務省及び内務省の職員と会談した。マーシャル諸島政府は先週、米国在住の国民に対し、司法令状なしに移民当局にドアを開けないよう助言した。トランプ大統領による不法移民取り締まりに巻き込まれることを懸念したためである。当局者による共同声明では、特別規定により合法的に米国で生活し就労している自由連合国の市民には、トランプ大統領の行政命令は適用されるべきではないと表明した。(Radio New Zealand/FEB10, 2025)
太平洋地域
【経済・社会動向】
トランプ大統領の移民取締強化に反発(太平洋諸島)
2025.02.14