太平洋諸島センターの設立25周年を心よりお慶び申し上げます。同じ太平洋に浮かぶ太平洋島嶼国は、歴史的に親日で、国連などの国際場裡でも常に日本を支持するパートナーであり、水産・鉱物・エネルギー資源の観点からも、日本にとって重要な地域です。 太平洋・島サミット(PALM)は、太平洋島嶼国にとって、一つの国が主催し全ての加盟メンバーが参加する唯一の定期的な首脳会議です。1997年に第1回が開催され、今回9回目を迎えました。コロナ禍でしたが、オンラインにより開催され、今後3年間の5つの重点分野について議論されました。PALMが発展的に継続し、太平洋諸島センターの多大なるご尽力により、日本と太平洋島嶼国との友好親善が様々な分野で行われてきました。この25年間のご功績に、心より感謝と敬意を表します。 共通の価値観を持つ日本と太平洋島嶼国の連携がいかに重要か。その観点から、日本・太平洋島嶼国友好議員連盟は、太平洋島嶼国の日本外交における地位を高め、各国との友好議員連盟を繋げ一つの共同体をつくるために、平成26年(2014年)6月設立しました。 以来、在京各国大使との意見交換や太平洋島嶼国の要人が来日した際の会議やレセプション、日本の大使が島嶼国から一時帰国した際の情勢報告会など積極的に開催し、太平洋島嶼国の声を直接伺って議員連盟の政策提言として、PALMに反映させてきました。 日本と太平洋島嶼国のおかれる環境は毎年大きく変化しています。太平洋島嶼国が、激動の国際社会の中でしっかり活躍するため、日本の国際貢献の実績と経験を生かしたきめ細かい取組みが求められています。例えば、国家繁栄の基盤は「人づくり」という考えのもと、議員連盟が後押しして、PALM9では今後5500人以上の人材育成、人的交流を実施・表明しました。多くの若者が青少年交流、次世代リーダー育成事業などを通じて日本で研修を行っています。 また、ワクチン供与をはじめとする医療支援の具体的な例として、日本の医療用コンテナを太平洋島嶼国へ推進しています。同時に、医療従事者の育成のため、大学病院で医療研修プログラムを行います。これにより、祖国に帰った若者が、保健医療分野に携わり貢献することができます。さらに、14の地方自治体と太平洋島嶼国による「太平洋島嶼国・地方自治体ネットワーク」と緊密に連携しています。日本政府の全体的な取り組みに加え、太平洋島嶼国と同規模の地方自治体による細かな取組みを併せることで、より行き届いた支援が可能となります。 議員連盟は、将来その国を担う若者の人材育成や技術支援、日本と同じ自然災害が頻発する地域の強靭な基盤整備など、中国による一方的で強引な支援ではなく、太平洋島嶼国にとって真に有益となる日本の強みを活かしたきめ細かな持続可能で強靭な発展の為の支援を推進致します。今後は、安全保障の観点から、共通の価値観を持つ豪州やニュージーランド等の国々と広域的連携を進めていくことも重要です。PALM9では、法の支配に基づく海洋安全保障、漁業を含む海洋資源・環境分野の協力を推進し、中国の脅威に対応して参ります。 2019年に日本で行われたラグビーワールドカップでは、太平洋島嶼国の選手たちが大活躍しました。ホストタウンとの交流も話題になり、文化・スポーツを通じて、太平洋島嶼国をより身近に感じることのできる大きな出来事となりました。そして、東京オリンピック・パラリンピックも安全安心な形で太平洋島嶼国の国々も参加して開催することができました。毎年太平洋島嶼国の子供たちや留学生の日本での様々な研修会・交流事業で子供たちと交流をして参りました。目を前に向けた純粋な姿勢が印象的です。この歩みを未来に向けて、より一層進めていかなくてはなりません。 日本は、太平洋島嶼国にとって、将来的に有益となる支援・政策を皆様と共に進めて参ります。安全で安心な太平洋島嶼国を創るため、我々議員連盟は、より一層の取組を進めていくことをここにお誓い申し上げます。日本・太平洋島嶼国友好議員連盟 会長古屋圭司Keiji FuruyaChairman, Japan-Pacific island countries Parliamentary Friendship League祝辞 Congratulatory message
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