加し、特に牛肉はコプラに次ぐ輸出実績を挙げている。また、観光産業を中核とするサービス産業の発展と土地開発・建設への投資の増加は好調な経済の牽引役となっている。現在、経済・サービス活動は2つの都市部(ポートビラ、ルーガンビル)に集中しているが、観光産業を中核とするサービス産業はGDPの約30%、農業中心の第一次産業はGDPの約40%を占め共に重要な産業となっている。 観光振興を積極的に推進した結果、観光客を含めたバヌアツ訪問者数が増加した。2018年には約12万を記録する一方で、日本からの訪問数は全体数の1%程度に留まっている。 バヌアツは長い間英国とフランスの統治下にあったが、現在でも伝統的な首長による統治が続いており生活の重要な規範となっている。少ない人口にもかかわらず、言葉は村ごとに異なり、その数は実に100を超える。また冠婚葬祭の習慣から社会のシステムまで多種多様で、島によって異なるのは勿論、大きな島では地域によっても異なる。 このような状況で村人相互の意思疎通を図るため、国語をビシュラマ語(ピジン英語)と定め、英語とフランス語も公用語としている。部族に伝わる古くからの習慣に英国とフランス文化(キリスト教)が共存し、互いに影響しあって穏やかで「和」を大切にする独特の文化を育ててきた。●教育 教育は二国統治の影響を今日も引き継いでおり、小学校の授業では英語かフランス語が使用され、授業以外の会話はビシュラマ語となる。●宗教 宗教は90%以上がキリスト教徒で、その半分が長老派に属し、次いでカトリックと英国国教会が多い。一般的には村全体が一つの教会に属しているが、中には異なった宗教を信じる人々がそれぞれ固まって一つの村に共存している場合もある。離島に住む人々は、現在でも伝統的な宗教を信じる人も少なくない。7社会と人々明るいバヌアツの人々街中の教会
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