3) 再生可能エネルギー推進体制 2007年に資源エネルギー省(The Ministry of Natural Resources and the Environment) の一部門と再エネ部門(Renewable Energy Division)が設立された。再エネにより気候変動の緩和を推進することが主な役割である。再エネに関わる産業開発・投資促進は商工労働省(The Ministry of Commerce, Industry and Labour)が担っている。また、GCFのNDAである財務省(Ministry of Finance)もひとつの相談先と想定される。GCF197に記載されている連絡先は以下のとおりである。 表 7-3 現地企業の取り組み 7.1.4. 現地企業の取り組み 緩和ビジネス 2) 導入課題・対応策・ポテンシャル SESP 2017-2022によれば、サモア独立国の再エネセクターにおける重要課題は、①エネルギーミックス全体に占める再エネ割合の増加、②再エネおよびエネルギー効率に関する啓発、③経験ネルギー源別では、電力として消費された量が216TJ(13%)、バイオエネルギーとして消費された量が1,446TJ(87%)であり、多くがバイオエネルギー向けである194。運輸・産業・民生セクター別では産業向けが13TJ(1%)、民生向けに1,505TJ(91%)、そのほかが144TJ(9%)であり、民生向けに9割の再エネが利用されていることがわかる。2021年時点における再エネ発電設備容量は、サモア独立国全体で29.067MWであり、そのうち太陽光が13.707MW、水力が14.060MW、バイオエネルギーが0.750MW、そして風力が0.55MWである195。 や専門知識を共有するためのステークホルダー間のパートナーシップ、④資金調達情報へのアクセス、⑤現地の人々の能力開発、⑥再生可能エネルギー普及のための法規制のギャップ、の6つである。また再エネに関するデータを統合し整理することも課題となっている。上述のとおり、サモア独立国では2020年4月からアフォラウ・バイオマスガス発電所を設置し5,000世帯の電力を担っている196。これは、①エネルギーミックス全体に占める再エネ割合の増加に対して、太陽光発電、水力発電以外の再エネとして注目される対応策である。また、エネルギーミックス全体に占める再エネの割合を増加させたうえで、それぞれの再エネを効率的に運用することが必須となる。効率的な運用のためにはEMS、AMI、DR、VPPなどの制御技術も併せて導入されることが望ましいため、これらの制御技術もポテンシャルとなりうる。 サモア独立国における現地企業の主な取り組みは以下のとおりである。 • Ms. Litara Taulealo (Operational Focal Point), LITARA.TAULEALO@MOF.GOV.WS MANA Care Products社 分野:製造 「国連環境アジア太平洋低炭素ライフスタイルチャレンジ」の受賞者の1人であるサモア独立国出身のアンジェリ・カサレレは、サモア独立国などの太平洋島嶼国において、生理用ナプキンを製造するスタートアップMANA Care Products社のビジネスを開始した。使い捨ての女性用サニタリー製品を製造することによる二酸化炭素排出量は膨大である。年間1,500万トンのGHGが排出され、これは3,500万バレルの石油燃焼に相当する。同社は、有毒なプラ81 再エネ未利用 194 薪やチップ、ペレットを燃やして煮炊きなどをしている可能性がある。 195 IRENA(2020) 196 https://samoa.un.org/en/100851-samoa-opens-new-source-renewable-electricity 197 https://www.greenclimate.fund/countries/samoa
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