2) サモアエネルギーセクター計画 (Samoa Energy Sector Plan: SESP) 2017-2022 SESP 2017-2022は「すべての人に質の高いエネルギー供給にアクセスできるよう改善すること」をエネルギーセクターの達成すべき目標としている。SESP2017-2022は、セクター計画の成果として①再生可能エネルギーの増加、②電力サービスの改善、③運輸セクターのエネルギー効率化、④石油製品管理の改善、⑤エネルギーセクターとの連携強化を挙げている。NDCでも明記されているとおり、再エネ増加は喫緊の課題としてサモア独立国では認識されていることがわかる。たとえば、サモア独立国では2020年4月からアフォラウ・バイオマスガス発電所を設置している。同発電所は最大5,000世帯の電力源となり、年間120万リットルのディーゼル燃料を節約することができ、ディーゼル発電所から排出されるCO2を年間3.7トン削減できる計画である192。サモア独立国では、太陽光発電、水力発電が主要な再エネ電源となっているが、バイオマスガス発電もその一端を担えるポテンシャルがあることがわかる。 3) 導入促進策 FITやFIPの設備導入補助は特にないが、2017年の関税定率法の改正法(Customs Tariff Amendment Act 2017193) によると、省エネに資する機器は免税で輸入することができる。再エネ機器には工場や設備、機械、車両が含まれ、決定の権限が関税歳入省(The Ministry of Customs and Revenue)の大臣にある。また、太陽光発電のような再エネセクターに関連するビジネスで・ 沿岸部および内陸部のインフラ整備 ・ 生態系保全、生物多様性 ・ 健康 ・ 土壌 ・ 衛生 ・ 海洋 ・ 農業(農作物、畜産物、漁業)と食料安全保障 ・ 林業 ・ 保護地域 ・ 観光投資 ・ 水資源とその利用促進 出所:Samoa’s Second Nationally Determined Contribution, Samoa Climate Change Policy 2020-2030を参照し受託者作成 ボード・マイクロカー・電動バイクなど)の導入など、脱炭素を目指した多様な施策が示されている。廃棄物セクターにおいてはメタンガスの回収、AFOLUセクターでは森林管理だけでなく肥料使用の改善を検討している。 NDCでは、「2030年までにGHG排出量を26%削減」という包括的なGHG目標が設定されている。エネルギーセクターでは「2030年までに2007年比でGHG排出量を30%削減」、廃棄物セクターでは「2030年までに2007年比でGHG排出量を4%削減」、そして、AFOLUセクターでは「2030年までに2007年比でGHG排出量を26%削減」としており、各セクターで目標を定めている。また、非GHG目標として再エネ発電100%を達成することを目指しているなど、再エネを利用したGHG排出源を目指していることがわかる。特にエネルギーセクターにおいては、再エネの導入、エネルギー効率化、電気自動車の割合増加、電動マイクロモビリティ(電動キック79 適応セクター 192 https://samoa.un.org/en/100851-samoa-opens-new-source-renewable-electricity 193 https://samoa.tradeportal.org/media/Customs-Tariff-Amendment-Act-2017-Eng_2.pdf
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