太平洋島嶼国エネルギー等事情調査報告書
83/182

表 6-2 セクター別GHG排出量(MtCO2e:二酸化炭素換算100万トン) GHG合計(LUCF含む) All GHG 0.87 0.18 CO2 CH4 0.51 0.18 N2O F-Gas 0.01 系統への売電量が電気使用量を超えたとしてもマイナスの請求書は提供されず、収入を得ることはできないため、同制度による再エネ導入量の積極的増加は期待できない152。SHSの導入促進が「バヌアツ地方電化プロジェクト」(Vanuatu Rural Electrification Project: VREP)I、VREP IIによって行われていたものの2022年9月時点ではすでにそれらのプロジェクトが終わっているため、導入補助は出されていない。一方、国家グリーンエナジー基金(National Green Energy Fund: NGEF)153が2018年に設立され、2022年8月時点においてSHSとマイクログリッドの導入を、融資を通じて促進している。また、太陽光発電に関してバヌアツ共和国では、ソーラーパネルには輸入関税がかからず免税対象となっている一方、再エネの充電に必要なリチウムバッテリー、鉛バッテリー共に税率は15%であった。なお、環境局(Department of Energy :DOE)などの政府機関よりプロジェクト認証を得て免税レターを獲得することで、関税が免除される。 6.1.2. セクター別情報 (1) セクター別GHG排出量 セクター別GHG排出量は以下のとおりである。 セクター別GHG排出量において、農業からのGHG排出量(CH4)がエネルギーセクターの2倍以上となっており、メタンガス(CH4)の削減が喫緊の課題となっていることがわかる。農業から排出されるGHGは化学肥料の使用によりN2O(亜酸化窒素)が多いが、バヌアツ共和国ではメタンガスの発生量が多い。これはバヌアツ共和国において畜産業(特に肉牛)が主要産業となっていることが関係していると予想される。そのため、「精密農業」」などN2Oを減らす技術の導入ではなく、肉牛などの曖気が発生源となるメタンガスを減少させる技術、たとえば牛の分類 エネルギー 運輸 0.12 0.12 No Data No Data No Data 分類 GHG合計(LUCF含まない) 0.87 0.18 0.51 0.18 0.01 農業 建物 0.01 All GHG 0.01 CO2 No Data CH4 No Data N2O F-Gas No Data 出所:Climate Watchを参照し受託者作成 0.04 0.48 0.04 No Data No Data 0.34 0.14 No Data No Data No Data 0.01 0 0 0 0.01 64 バンカー燃料 産業プロセス 電気/熱 0.05 0.05 No Data No Data No Data 漏洩排出 NA NA 0 0 No Data 0 No Data 0 0 No Data 0.16 No Data 0.16 0 No Data No Data 土地利用・林業(LUCF) 廃棄物 エネルギー その他燃料燃焼 0.04 0 0.01 0.04 No Data 製造/建設 0 0 No Data No Data No Data 0.22 0.18 0.01 0.04 152JICA(2017)バヌアツ共和国エスピリッツサント島電力セクター情報収集・確認調査ファイナルレポート 153 https://doe.gov.vu/index.php/ngef/reports/23-ngef

元のページ  ../index.html#83

このブックを見る