太平洋島嶼国エネルギー等事情調査報告書
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SDG13ロードマップにおいても、カーボンニュートラルが目標とされている。NDCでも言及されていた再エネにおいては、「アクション7:再エネベースの村落電化」で明示されており、非電化地域でも活用できる太陽光を活用したソーラーホームシステム(Solar Home System: SHS)やミニグリッドなどの導入が期待される。その他、発電に必要な水量が確保できる場合はマイクロ/ピコ水力発電10も導入可能性がある。 ・ 食料不足:農業 ・ 都市と気候変動:交通、インフラ、保健、都市開発、水と衛生 ・ 気候変動による移住:交通、保健、教育、都市開発、水と衛生 ・ サンゴ礁の被害:交通、インフラ、漁業、農業、自然資源と環境、水と・ マラリアと媒介性疾患:保健、都水と衛生 ・ 水と衛生:保健、自然資源と環境、水と衛生 ・ 地すべり:交通、インフラ、保健、自然資源と環境、水と衛生 ・ そのほか:2015年気候変動管理法に示されている適応優先セクター出所:Climate Watch, PNG Enhanced NDC 2020を参照し受託者作成 NDCでは、「2030年までにエネルギーセクターのサブセクターにおいてカーボンニュートラルにする」と宣言されており、同目標を達成するためにGHG排出削減に向けた動きが加速する可能性が高い。特にエネルギーセクターでは再エネ割合を30%から50%にまで引き上げることを施策としており、再エネ関連技術の需要増加が期待される。 Goal: SDG)の達成のために気候変動対応ロードマップが作成されている。 • アクション4: 効果的なGHG排出量のモニタリングと報告 • アクション6: ガス部門および鉱物部門におけるカーボンニュートラル • アクション 7: 再エネベースの村落電化 • アクション8: 強靭性があり、信頼性が高く、効率的な電力グリッド • アクション 9: エネルギー効率の高い政府と民間企業 • アクション10: 森林減少・劣化の抑制および森林炭素蓄積量の増加(Reduction of Emission from Deforestation and forest Degradation: REDD+)の成果提供 • アクション17: 気候変動に強いインフラへの民間投資の強化 • アクション28: クライメート・スマート・アクアカルチャー • アクション 29: 沿岸生息地の保全と再生 2) PNG SDG13ロードマップ(Papua New Guinea’s Sustainable Development Goal 13 Roadmap) PNGではエネルギーを含む気候変動に着目し、持続可能な開発目標(Sustainable Development 同ロードマップにおいて脱炭素ビジネスに関連のあるアクションは以下のとおりである。 8 衛生 に、林業・土地利用、廃棄物、漁業、採取産業、生物多様性、観光・文化が追加された。関連セクターは、農業、健康、自然資源・環境 10一般的に、小水力発電は最大出力が1,000kW未満、ピコ水力発電は最大出力が10kW未満の小規模な水力発電のことを指す(https://www.pref.tokushima.lg.jp/kigyoukyoku/new-info/5046869/)。たとえば、リコーは小水力発電(3Dピコ水力発電)を活用し「3Dピコ水力発電による働く現場のDX支援事業案件化調査」をJICAに提案し調査をフィリピン国にて実施している(https://jp.ricoh.com/info/2021/0608_1)。

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