第15章 ナウル共和国のエネルギー事情(その他) 15.1. ナウル共和国の実情 表 15-1 NDC概要 ・ 持続可能なパイロット版スマートビレッジ:トップサイドに住宅を 160 ナウルでは1900年代からリン鉱山の採掘が行われてきたが354、21世紀にはリン鉱山の大部分は既に採掘されており、鉱山開発(探鉱、採掘、選鉱、製錬、左記工程間における輸送を含む)の各工程におけるGHG排出が多少はあると予想されるものの、同排出量に関する別途目標は確認できない。一方、リン鉱石採掘により、陸上及び海上における生物多様性の損失、農地不足による輸入依存、居住地不足により沿岸部での居住を余儀なくされる事による海面上昇と沿岸浸食へ脆弱性など、ナウル共和国の気候変動に対する脆弱性が高まっている355。 15.1.1. 関連政策・法規制 (1) 脱炭素・再エネ関連政策 1) NDC ナウル共和国の最新版NDCは「Updated Nationally Determined Contribution」である。同NDCの概要は以下のとおりである。 項目 参照NDC コミットメントの種類 非GHG、アクション 目標年 実施期間 対象セクター 対象ガス GHG目標 非GHG目標 目標達成のための施策、現状の動きなど 詳細 Updated Nationally Determined Contribution Intended Nationally Determined Contribution 要なインフラの移転に向けた土地利用基本計画の策定 建設 ≪災害に強い港湾施設≫ ・ 気候変動に強い新港湾施設の建設を完了 【健康・豊かな人々】 354 https://www.jaipas.or.jp/article/other_01.html 355 WB (2021) Climate Risk Country Nauru NA 2021年~2030年 (緩和に対応するセクター(目標)のみに限定) 【豊かな土地・沿岸部】≪高台への移転≫≪災害に強い港湾施設≫ 【健康・豊かな人々】≪教育の改善≫ 【水の安全保障】 【食の安全保障】 【電力の安全保障】≪エネルギーセクター(発電)≫ 【健康的な環境】≪廃棄物管理施設の強化≫≪廃棄物≫ 【ガバナンス】 NA CO2 ・2030年までに発電量の50%を再エネで構成 ・30%の省エネを達成 ・6MWの太陽光発電所と5MW/2.5MWのバッテリーを設置 【豊かな土地・沿岸部】 ≪高台への移転≫ ・ ハイヤーグラウンド構想の一環として、トップサイドへの住宅や重
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