パプアニューギニアガイドブック
75/114

73 東ハイランド州は東のモロベ州、西のチンブー州、南のガルフ州、北のマダン州、と東西南北を他州に囲まれた内陸州で、多くの町は1500m以上の高地にあるが、州北部のラム渓谷やマーカム渓谷は標高数百メートルと低くなっている。北のビスマルク山脈など2000~3000m級の高い山脈に囲まれ、アサロ渓谷など大小さまざまな渓谷地帯がある。州の人口は約58万人(2011年国勢調査)で言語は約20種ある。ハイランド地方の中では海岸部に最も近かったため、西洋人との交流から比較的早く西洋文明を取り入れてきた州である。 ハイランド・ハイウェイ沿いにあるラム川に建設されたヨンキ・ダムは、国内最大規模の水力発電所で、ハイランドの各州、モロベ州、マダン州に電力を供給している。また現在でも日本政府の技術協力により発電規模の拡大を図っている。 ゴロカの南西50kmにあるクレーター・マウンテンは、ガルフ州、チンブー州と交差する地点であり、2700km2の広大な自然保護区がある。この保護区ではゴロカに本部を置くNGO調査保護基金(Research and Conservation Foundation)が自然保護のための調査・研究・教育の活動を行っていたが、この地域で金や銅が発見され、2014年12月からクレーター・マウンテン鉱山の操業も始まり、地元住民は鉱山開発と自然保護の間で揺れ動いている。 東ハイランド州の各地にはノーコンディ(Nokondi)という精霊伝説がある。 一説には、海岸沿いの低地から来た西洋人を精霊と見間違えた、との話もあるが、この精霊の姿は、半分精霊、半分人間で、目、鼻孔、耳、手、足が各1つまたは1本しかなく、山奥に姿を隠東ハイランド州ハイランドハイウェイ最高度2478mのダウロ峠ゴロカの街中に建つノーコンディの像東ハイランド州(Eastern Highlands Province)

元のページ  ../index.html#75

このブックを見る