産 業主な都市や街69と金鉱を求めて高地を探検していたレイ(Leahy)兄弟である。飛行機で到着した彼らと現地人との遭遇の様子はレイにより詳細に記録され、書籍「ファースト・コンタクト」やドキュメンタリービデオで見ることが出来る。 また翌1934年には、カトリックの宣教師が入ってきて、布教に努めた。 1950年代には入植してきた西洋人によって、コーヒーのプランテーションが作られたが、輸出の為の産業道路が無く、当時はマダンまで空輸されていた。1960年代になってハイランド・ハイウェイが開通し、商業、物流が発展するきっかけとなった。 2012年、アングリンプ=南ワギ、北ワギ、ジミの3つの行政区がジワカ州として西ハイランド州から分離独立した。なおジワカ州の初代知事には文科省留学生として日本で博士号を取り、秋田大学で準教授として教鞭を取っていたウイリアム・トンガンプ氏が当選し、2020年7月現在も知事である。 西ハイランド州・ジワカ州はパプアニューギニアの中で最大の農業地帯であり、マウントハーゲンはハイランド・ハイウェイの中継地にあるという地理的条件を生かして運送・物流会社の拠点が置かれ、これらの産業を支える金融ビジネスも盛んで、ハイランド地方の中で最大の産業基盤を持つ。 世界でも最古の農業遺跡が見つかった事からも分かるように、この地域では肥沃な渓谷の湿地帯を利用しての農業は太古から盛んであった。 交通インフラが発達した事で、現在では自給自足用の食料の他に、さつまいもを中心としてキャベツ、ニンジン、ジャガイモ、タマネギなどの商業野菜の栽培もかなり盛んで、ハイウェイを利用してレイまで運んで船で運ぶ他、ポートモレスビーまで空輸する事もある。 コーヒー豆の栽培には、気候と標高、水はけの良い土地などが必要であるが、それらが全て適合しているこの地域は、国内で最大のコーヒーの生産高を誇る。 また、ワギ渓谷には、カーペンター・エステート社が所有する4つの紅茶の大型プランテーションと工場がある。このプランテーションや施設は、1960年代にそれまではヨシの生息する湿地帯を干拓して作られた。ここで生産される紅茶がパプアニューギニアで一番有名な「No.1 ティー」である。マウントハーゲン(Mount Hagen) 標高1700mに位置する西ハイランド州の州都マウントハーゲンの人口は約3万人、国内第4番目の人口をもつ都市である。町の名前はドイツ領ニューギニアの知事を務めたカート・フォン・ハーゲンに
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