パプアニューギニアガイドブック
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歴 史65 サンダウン州はパプアニューギニアの北岸最西に位置し、インドネシアとの国境を接し、東は東セピック州、ヘラ州の一部と、そして南部はウエスタン州と接する。州の大半は低地の熱帯雨林であるが、南部のスター山地では4000mの山もある。この山岳地帯はパプアニューギニアを代表する2つの大河(フライ川とセピック川)の源流があり、以前は西セピック州と呼ばれていた。 州名のサンダウンは英語sun down(太陽が沈む)のピジン語に由来しており、PNGの最西に位置し、パプアニューギニアで最後に陽が沈むことから名付けられた。公用語の英語、共通語ピジン語とローカル言語(95言語)の他、国境の町らしくインドネシア語(バハーサ・インドネシア)を理解する人間も多いのが特徴。 バニモ周辺の沿岸部には11月~4月のモンスーンシーズンにフィリピン沖からコンスタントなうねりが到達し絶好のサーフィンスポットとなり、毎年オーストラリアや日本からサーファーが訪れる。 作家の有吉佐和子が文化人類学者の畑中幸子との旅を描いた「女二人のニューギニア」はサンダウン州南部のテレフォミン地区のオクサプミンを舞台とした傑作エッセイである。 20世紀の初め、この地を支配したドイツはアイタペに街を作り、ヨーロッパと交信するための無線ラジオ局などを建てベルリンハーフェン(「ベルリンの港」)と名付けた。 太平洋戦争時には1944年、アイタペ東方のドリニュモール川河畔で「アイタぺの戦い」と呼ばれる激しい戦闘が行われている。 また1998年7月17日アイタペの西方の沿岸部のシサノ・ラグーン沖合50km付近でM7の大地震が発生し、沿岸30km内インドネシアとの国境絶好のサーフィンスポットサンダウン州(Sandaun Province)

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