パプアニューギニアガイドブック
44/114

歴 史産 業主な都市や街42 オロ州はニューギニア島南東部の北岸、ソロモン海に面した州で、南部はオーウェンスタンレー山脈を挟んでセントラル州と境を接する。 この地域にはアレキサンドリア・トリバネアゲハという、羽を広げると30cmにも達する世界最大で国際自然保護連合(IUCN)が作成する「絶滅のおそれのある野生生物リスト(レッドリスト)」で絶滅危惧種に指定され、ワシントン条約で取引が禁止されている蝶が生息している。 内陸部のココダは19世紀末に金の産出に伴って開かれた街だが、太平洋戦争には日本軍南海支隊が、ポートモレスビー攻略作戦においてオーストラリア軍との激戦を繰り広げ、多くの死傷者を出した場所でもある。オーストラリア軍にとってココダでの戦いは、ニューギニア島南部沿岸の首都ポートモレスビーを日本軍に占領されるとオーストラリア本土が攻撃にさらされることから背水の陣となる祖国防衛戦であり、太平洋戦争の中で甚大な被害をだした陸戦のひとつでもあったことから、戦後も「ココダの戦い」として語り継がれ、ポートモレスビーとココダを結ぶこの急峻な道は「ココダトレイル」ココダトレールの慰霊碑としてオーストラリア人を中心に年間数千人がトレッキングに訪れている。 おもな産業は農業と林業で、ヒガトゥル(Higatule)を中心とするオイルパームが最大の産業となっている。ポポンデッタ(Popondetta) ポポンデッタはオロ州の州都で人口約3万人。1951年ラミントン山の噴火により、近くの町でその時の行政区ヒガトゥルを中心に約3000人の被害者を出した。その救援活動の拠点としてオーストラリア軍によって作られた街がポポンデッタで1975年パプアニューギニア独立と共に州都となった。 ポポンデッタの気候は熱帯雨林性で年間降雨量は2700mm。年間を通じて雨が多いが、6月から9月は月間降雨量が100mmで比較的晴れの日が多い。11月から3月は300mmを記録する雨季で、この時期には河川が氾濫、橋が流されたりすオロ州(Oro Province)

元のページ  ../index.html#44

このブックを見る