パプアニューギニアガイドブック
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26 ポートモレスビーはサバンナ気候で年間降雨量は約1000mm、国内で最も乾燥した地域である。12~4月は雨季だが一日中雨が降る事は稀で、殆どは夕方のスコールである。逆に5~11月は全く雨が降らない日が続く事があり、この時期に街を上空から見ると緑が少なく赤茶けて見える。乾季の終わりごろには雨不足によって水力発電が十分に出来ず、電力不足となるので計画停電(Load-Shedding)が行われる。雨季の最高気温は30度を超えで蒸し暑いが、乾季の最低気温は20度近くまで下がる。特に6~8月は南東からの貿易風の影響もあり、朝は肌寒く感じるほどである。 1980年代には他州から多くの移住者が押し寄せたが、その多くは学歴、技術、人脈もなく職を見つけることが出来ず、そのまま都市に居座り不法居住区(セトルメント)を形成し、強盗、カージャック、住居侵入、銀行強盗などの犯罪を犯すようなった結果、町の治安は急速に悪化した。 一方、政府や有力企業の職員の多くですら都市部の高額な家賃や生活費が払えず、セトルメントに居住せざるを得ないのが現状で、ポートモレスビーの人口の60%以上が50を超えエアウェイズホテルから見下ろしたポートモレスビー空港<マイルという地名の由来> マイルは太平洋戦争時、オーストラリア軍によってつけられた大まかな地区名で、レイなど他の都市でも一部使われている。ここポートモレスビーの場合、タウン地区中心地から郊外へ向かうヒューバート・マーレー・ハイウェイの距離数で名付けられた。当時のオーストラリアは現在のメートル法でなくマイル法だった。現在使用されているのは、2・3・4・5・6・7・8・9・14・15・17で、区分けは大まかで正確な境界線はない。また丘陵部には「2マイルヒル」「5マイルヒル」と呼ばれる地区もある。因みにポートモレスビー・ジャクソン国際空港は7マイルにあり、戦争当時は「7マイル・エアストリップ」と呼ばれていた。ポートモレスビー空港国際線ターミナル

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