太平洋島嶼国エネルギー等事情調査報告書
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(2) 参入ストーリー ソロモン諸島では緩和および適応分野においてビジネス参入可能性がある。それぞれの分野に 緩和関連技術 ・ 製品 される可能性がある。ソロモン諸島において再エネ関連のビジネス参入を検討する企業は、再エネロードマップに沿った形で導入を検討するのもよいが、SPIRESの動向を注視していくことを推奨する。 導入可能性が高いと想定される日本企業が持つ主な技術・製品は以下のとおりである150。 58 分野 エネルギー 農業 土地利技術・製品 電気自動車、ハイブリッド車 急速充電ステーション 屋根置き太陽光発電システム、オフグリッド太陽光システム、 マイクロ/ピコ水力発電 バイオマス発電 食品工場、一般家庭生ごみ、家畜糞尿、下水道施設から発生する未利用な消化ガス等から得られるバイオガスを燃料として発電を行うことで、化石燃料の利用を削減できる 再エネ発電・蓄電を自律的に制御し、電力を安定的に一定期間供給するシステム。ディーゼル発電機の補完電源としてGHG削減が期待できる。 電動モーター、電動推進機を利用小型船舶、船舶用蓄電池を利用することで、従来の船舶よりもGHGの排出量を抑えられる。また、低炭素船舶を利用することでバンカー燃料の使用削減にもつながる。 エネルギーマネジメントシステム 電動モーター利用小型船舶、電動推進機、船舶用蓄電池、低炭素船舶など スマート農業 有機土壌改良剤 有機土壌改良材を利用した植林活動は、植林によるGHG吸収表 5-17 参入ストーリー151 参入(貢献)ストーリー 化石燃料を利用するディーゼル車を電気自動車や電動バスなどに代替することで、GHG排出量を削減することができる。これらの設置については、現地側の需要およびインフラ整備状況による。 設置が簡易で再エネを100%利用できる蓄電式超急速EV充電器は、電気自動車、ハイブリッド車を普及するために必要な装置である。 屋根置き太陽光発電システムや個人でも設置可能なオフグリッド太陽光発電システム。たとえば、スーパーマーケットの屋根に設置して自家消費用に発電したり、工場の屋根に設置して電力の一部を再エネに置き換えたりすることでGHG排出量を削減する。 超低落差や落差を必要としない水力発電機など。無電化地域におけるジェネレーターの使用などを削減させることで、GHG排出量を削減する。 人工衛星の画像データやリモートセンシング技術を通じてN最適な施肥設計を行うことでN2Oの削減を可能としたり、ICTを応用した生産管理システムを利用することで効率的に園芸作物を栽培できる。 150 事業マッピングですでに事業が行われていたとしても、ソロモン諸島政府の政策(NDCなど)において特に151 同参入ストーリーに記載する日本企業の技術・製品・ノウハウは「環境省JCM資金支援事業(2013~2022年度)採択案件一覧表(環境省(2022))」、「令和4年度二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(二国間クレジット制度資金支援事業のうちコ・イノベーションによる脱炭素技術創出・普及事業)(環境省(2022))」「日本企業による途上国における適応グッドプラクティス事例集2022年2月(経産省(2022))」、「気候変動適応情報プラットフォーム」(https://adaptation-platform.nies.go.jp/)、「電動バス導入ガイドライン(国土交通省 自動車局(2018))」JICA民間連携事業各種報告書など公的機関が公表している資料、ウェブおよび技術・製品を有する日本企業の公開情報(ウェブ、プレスリリースなど)を参考に作成した。 言及され導入が期待されている技術・製品についても表に含めた。

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