太平洋島嶼国エネルギー等事情調査報告書
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2) 再生可能エネルギーロードマップ(Renewable Energy Road Map:RERM) 2021年に行われたJICA ソロモン諸島国RERM策定プロジェクトによって、2030年に雨期における再生可能エネルギー100%達成を推奨シナリオとして、RERMが作成された。同REMRにおいては、現在ホニアラ系統で開発が進んでいるティナ川水力発電所が2025年に運転開始されること、太陽光発電が2025年におよそ7.27MWとなること、電力需要が年率2%で2030年まで成長し続けるなどを想定し作成されている。また、2030年以降の再エネ100%の実現に貢献することを目的として、太陽光発電以外の各種再エネ資源ポテンシャルによる最適な電源構成を立案するため、同RERMを作成したJICAソロモン諸島国RERM策定プロジェクトでは、以下の技術支援をJICAに期待している。 上 ・ 廃棄物管理:気候変動の影響を取り入れた廃棄物管理計画推進 ・ インフラ整備:気候変動や海面上昇に対する主要インフラの耐性向・ 沿岸保護:沿岸地域の社会経済活動 ・ 漁業と海洋資源:漁業と海洋資源保護に関する能力向上 ・ 観光:観光分野における気候変動への対処能力向上 出所:Solomon Islands 2021 Nationally Determined Contribution (NDC), National Adaptation Programme of Actionを参照し受託者作成 NDCでは、「2025年までに2015年比で14%、2030年までに2015年比で33%のGHG排出量を削減する。国際的な支援がある場合、2025年までに27%、2030年までに45%の排出量をさら2050年までのカーボンに削減できる。」としており、さらに、国際的な支援が前提であるもののニュートラルの達成を目指している。その道筋として、太陽光ハイブリッドシステムや水力発電を主とした再エネ導入を進め、2050年までに再エネアクセス100%を目指すこととしている。また、供給側の再エネ導入だけでなく、2035年までに電化製品の輸入規制を行いエネルギー効率と省エネ化を進めるなど、需要側からのカーボンニュートラル達成に向けた動きの促進が期待される。 • ガダルカナル島における水力ポテンシャル開発の調整池式・揚水式を含む体系的な調査・レビューの実施 • 水力開発計画策定および優先順位の策定 • 実施可能なバイオマス発電の検討とポテンシャルマップの作成 • 風力、地熱の基礎データの収集・ポテンシャル調査計画の立案 • 上記、業務を通じてのソロモン諸島関係機関(MMERE、SP)への技術移転 44 の策定

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